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王者バイエルンはなぜ敗れたのか? レアル戦で見えた未熟な姿とペップ・スタイルの脆さ

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

らしさ失い、カウンターの餌食に

王者バイエルンはなぜ敗れたのか? レアル戦で見えた未熟な姿とペップ・スタイルの脆さ
セルヒオ・ラモス【写真:Kaz Photography】

 モドリッチが蹴ったボールを、セルヒオ・ラモスがヘッドで勢い良くバイエルンゴールに突き刺す。続いて20分には、ディ・マリアのペナルティエリア手前左の位置からのFKを、またもセルヒオ・ラモスがヘッドで決めた。アウェイ・ゴールを2点献上したバイエルンは、4ゴールを奪わなくてはならない状況に追い込まれた。

 バイエルンは反撃を試みる。24分には、右サイドでラームからボールを受けたリベリーがシュートを放つが、左へと逸れる。27分には、同様に右サイドからロッベンがシュートを放つが、これもまた左へと逸れてしまう。

 2点をリードしたマドリーは、引いてカウンターを狙いさえすれば良かった。34分には、リベリーの折り返しのパスをカットしたベイルが、ディ・マリアに渡し、ディ・マリアは即座に右サイドを駆け上がったベンゼマへ。

 ベンゼマから再び中央へ駆け込んだベイルを経由して、左サイドに走り込んだロナウドがきっちりとゴールに流し込んだ。この時点で勝負は決してしまったと言っていい。

 バイエルンはどこか縦へ縦へと攻め急ぎ、ポジションチェンジを繰り返しながらゴールへと迫っていく、いわゆる「らしさ」を失ったまま、前半戦は終わった。

 決勝進出のためには5ゴールが必要という絶望的な状況に追い込まれたバイエルンは、後半に入るとマンジュキッチを下げ、マルティネスを投入した。シュバインシュタイガーがミュラーと2トップを組むような形で、反撃を試みる。

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