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Jリーグ 10年前

柏退団のレアンドロ・ドミンゲス。度重なる退場、練習不参加…指揮官との信頼関係崩した北嶋とワグネルの退団

text by 鈴木潤 photo by Kenzaburo Matsuoka

時に冷静に、時に強い口調で叱咤した“カリスマ”北嶋の存在

柏退団のレアンドロ・ドミンゲス。度重なる退場、練習不参加…指揮官との信頼関係崩した北嶋とワグネルの退団
ネルシーニョ監督【写真:松岡健三郎】

 もともとは、2009年7月に柏の監督に就任したネルシーニョ監督が、降格したチームを再建させる最初の手段として、「ヴィトーリアのL・ドミンゲスを獲得してくれ。彼が来れば柏のサッカーが変わる」と強化部に意向を示したことが、柏がL・ドミンゲスの獲得に動いた理由だ。

 それに当時の強化責任者の竹本一彦氏から聞いた話では、ブラジルでも名の通った名将であるネルシーニョ監督からの誘いだからこそ、L・ドミンゲスはオファーを受け、当時の彼にとっては未知の国だった日本のクラブに移籍する決断に至ったという。

 L・ドミンゲス自身、2010年のJ2、2011年のJ1で連続優勝を果たし、リーグMVPを獲得した頃は、「監督は素晴らしい人。リスペクトしている」という言葉を幾度となく発しており、双方は間違いなく良好な関係を築けていた。

 L・ドミンゲスが相手から激しいチャージを受け、怒りで我を忘れて報復行為に及ぶ。ピッチ上で激高した彼を味方選手がなだめ、注意してもコントロールすることは難しいとされてきたが、例外が2人いる。2012年のシーズン途中まで柏に在籍していた北嶋秀朗と、昨年限りで退団したジョルジ・ワグネルだ。

 北嶋はピッチ上ではL・ドミンゲスと対等に言葉を交わせる選手だった。時には冷静に、時には強い口調で叱咤し、L・ドミンゲス自身もクラブの象徴的存在で強烈なカリスマ性を持つ北嶋には一目置いていたはずである。

 それでいて2人は仲が良く、“ニーヤン”と呼ばれるL・ドミンゲスの愛称は、北嶋が2010年に名付けたものだ。

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