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長友佑都 10年前

「今季最悪」、ダービー敗戦でインテル酷評も輝いた攻撃センス。長友の成長と勝ち取った信頼

ミラノダービーでインテルは敗れた。低調なパフォーマンスに現地は酷評したが、長友はチャンスを演出した。改めて感じるのは、インテル加入からの大きな成長、そして彼が勝ち取った信頼の大きさだ。

text by 神尾光臣 photo by Ryota Harada

見当違いだったインテルのゲームプラン

「多少マシだった方がダービーを制した(ガゼッタ・デッロ・スポルト)」「今季最悪のインテル、その理由は謎(コリエレ・デッラ・セーラ)」。低調だったミラノダービーで、破れたインテルに対し地元メディアは辛辣な批判を浴びせた。

 前節はナポリとドローにはなったが、3位を相手に攻撃的な内容を見せていた。それを見ている限りでは、スカスカになりやすいミランの2ボランチが、エルナネスやコバチッチを中心としたパスワークを食い止められるイメージはわかない。しかし、フタを開ければ、ミランの組織守備に封じられてしまった。

 彼らは、相手の戦術を破壊するところから入った。3ボランチに変更し、エルナネスとコバチッチにマンマークに近い対応をすることでパスの根元を封じる。勝利のために現実策を取ったといったようだが、インテル陣営はそれを読み切るどころか、てんで見当違いのゲームプランを立てていたようだ。

「相手には攻撃力のあるタレントが多い。僕たちは彼らが攻めに来たところを狙って、後ろのスペースをカウンターで突くプランを立てていたが、相手が一枚上手だった」

 中盤でプレスにさらされた、当該のエルナネスは言う。インテルが狙おうとしていた中盤のスペースはむしろ丁寧に潰され、彼らは90分に渡って攻撃の組み立てに苦労していたのである。

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