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「ファンが切望する復活の希望」。現地記者がマンUの若手トリオを絶賛。ギグスの起用法にも賛辞

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Asuka Kudo / Football Channel

「ヤヌザイも花火のように光っていた」

「ファンが切望する復活の希望」。現地記者がマンUの若手トリオを絶賛。ギグスの起用法にも賛辞
アドナン・ヤヌザイ【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 一方、スカイスポーツのアダム・ベイト記者は次のように試合を評している。

「『ウィルソンをイングランド代表に』というチャントがストレトフォード・エンド(西スタンド)から巻き起こったが、あの瞬間はウィルソン本人の宝物となったが、彼はファンから絶大な支持を受けた。この試合はユナイテッドの10代の選手が、ファンが切望している復活の希望を与えた

 18歳のストライカーのデビュー戦での2ゴールは3-1の勝利に貢献したが、それが意味したのはチーム内に再編成が必要であるということだった。おそらく、ギグスにとってホームでプレーする公式戦はこれが最後となった。クラブ主将のヴィディッチも送別の言葉を述べ、長きにわたりクラブに在籍してきたファーディナンドとエブラも潮時を迎えた。

 ファンは一世代の過去に別れを告げる機会として同試合を見守った。結局のところ、ユナイテッドは12ヶ月前に勇退したサー・アレックス・ファーガソン元監督の穴をいまだに埋められずにいる。

 だが、クラブは再建せねばならず、ギグスが最もその方法を知る人物である。そのメッセージをギグスは先発メンバーに名を連ねたウィルソンとローレンスの起用で伝えた。同様に、ウィルソンにボールを供給し続けたヤヌザイも花火のように光っていた。

 前線の若手トリオは今季の冴えないユナイテッドに欠けていたものをファンに示した。年々歳を重ねているチームにおいて、素早さは欠点の一つだったが、前半にフィールドの選手が試みたダッシュの数を示すスタッツでは両チーム合わせてのトップ3に同トリオが名を連ねた」

前半のダッシュ数を示すスタッツ(スカイスポーツ調べ)

1、ウィルソン(27回)
1、ローレンス(27回)
3、ヤヌザイ(25回)
4、ロセニョー(20回)=ハル
5、クイン(19回)=ハル
6、ロング(18回)=ハル

 ベイトはさらに3人の活躍した若手について言葉を続けた。

「若手トリオは前半、ピッチ上の誰よりも効果的なダッシュを見せていた。何よりも、トリオに続く4位以下の3選手がハルの選手であったことも、ユナイテッドの他の選手たちにどれだけ素早さがなかったかを物語っていた」

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