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「ファンが切望する復活の希望」。現地記者がマンUの若手トリオを絶賛。ギグスの起用法にも賛辞

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Asuka Kudo / Football Channel

「(ギグスにとってホーム最後の試合で)これ以上のシナリオはなかっただろう」

「前線に張っていたウィルソンのタッチ数は64分間で22回に留まったが、そのうち5回は相手ペナルティエリア内で触れていた。ウィルソンのゴールへの嗅覚は開始31分の先制点となって現れた。

 右サイドのヤヌザイからのFKにファーポストのフェライニが頭で中央に落とすと、そこに素早く走り込んだウィルソンがボレーで決めた。その30分後に決めた2点目も右サイドのヤヌザイのドリブル突破から生まれ、ニアポストに出されたショートパスをフェライニが足で合わせ、相手GKに当たって跳ね返ったこぼれ球をゴール前に立っていたウィルソンが押し込んだ。

 ギグスは選手兼監督としてのオールド・トラッフォード最後の試合を飾るため、22歳年下の若手選手にプレーさせ、自身が子供の時に名乗っていた名字の選手を大活躍させた。これ以上のシナリオはなかっただろう」

 奇しくもウィルソンとは、ギグスが生まれた時に名乗っていた父の名字であり、10代の時に両親が離婚した際に母の名字、ギグスへと変えた背景がある。さらにギグスもユナイテッドの生え抜き選手として18歳でリーグデビューしており、一方でU-21ウェールズ代表ローレンスには同じ国の選手としての誇りを託した。

 ギグス監督は、試合直後にファンの前で話した演説内容をその後のインタビューでも繰り返し話していた。そうした事実からも、この特別な日のために前日に家で演説の練習をしていた可能性がある。

 就任4戦目にして最後の試合となる11日の敵地でのサウサンプトン戦。そこでもギグス監督は何か記憶に残るサプライズを考えているかもしれない。

【了】

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