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ドイツ主将ラームは妻のために。私利私欲を超えた4年に一度の祭典。W杯は誰のために戦うのか?

W杯は誰のために戦うのか? もちろん自分のためであり、チームメートのためであり、国のためである。ただ、それだけではない。4年に一度の世界最大の祭典には私利私欲を超えたものが存在する。

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada , Getty Images

いよいよW杯モードに入ったドイツ

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ドイツカップ決勝はバイエルンが勝利【写真:原田亮太】

 5月19日の朝、中央駅のスターバックスに入ると、カウンターの中で男性店員がドイツ国旗の手旗の束を手にしていた。何かイベントに使うものだろうか。店員は「ドイチュランド!」と口にし、旗の束を振る仕草をしながら、女性店員におどけてみせる。女の子は「サッカー?」と、少し呆れながらも、笑顔で応えた。

 17日にはドイツカップの決勝が行われ、ドイツ代表監督のヨハヒム・レーブもスタンドから戦いの行方を見守る。延長戦を含む120分間の激闘の末に、バイエルンがドルトムントを2-0のスコアで退けた。

 翌18日には、ブンデスリーガ1部と2部の入れ替え戦が行われる。初戦のホームを0-0で折り返したハンブルガーSVは、敵地でグロイター・フュルトを相手に1-1のドローへと持ち込み、アウェイ・ゴールによってからくも1部残留を果たした。

 これにて主要なイベントは終わりを迎え、ドイツ国内はいよいよW杯モードへと突入する。スターバックスのカウンターの中だけでなく、ブラジルW杯を使った広告も見られ始め、街の中は少しずつ4年に一度の祭典で彩られていく。

 今後ドイツ代表は21日より6月1日まで、先日のポーランド戦を終えてヤンセン、マイヤー、ゴレツカが振るい落とされ、27名となった予備登録メンバーでイタリアは南チロルの合宿へと入る予定だ。

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