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「彼は僕らをがっかりさせた試しがない」。バルブエナが4得点3アシスト。“レ・ブルー”、W杯での名誉挽回へポジティブな滑り出し

text by 小川由紀子 photo by Yukiko Ogawa

中盤を躍動したポグバ。ビエイラを彷彿させるダイナミックさ

「彼は僕らをがっかりさせた試しがない」。バルブエナが4得点3アシスト。“レ・ブルー”、W杯での名誉挽回へポジティブな滑り出し
ポグバは、シーズンの好調をそのまま引き継いだ自信に満ちたパフォーマンスを披露【写真:小川由紀子】

 そして、ユヴェントスのリーグ優勝を引っさげて凱旋したポグバは、シーズンの好調をそのまま引き継いだ自信に満ちたパフォーマンスを披露した。

 文字通りの“ボックス・to・ボックス”プレイヤーで、驚異的な運動量でピッチを縦横無尽に駆け巡り、イタリアで「タコ」の異名をとる長い手足を巧みに使って相手からボールを絡めとる。いや、その手足の長さだけでなく、しつこく吸い付く対人ディフェンスも、タコの吸盤のようだ。

 自ら「得意技」と豪語するミドルシュートを決めたかったのか、周囲にフリーの味方がいる場面で無謀にシュートに行くシーンもあったが、21歳にしてすでに壮年期のビエイラを彷彿させるダイナミックさは、フランス代表にとって得難い戦力だ。

 また、彼とコンビを組むマテュイディとキャバイエが上手くバランスをとりながら中盤のスペースをケアできている。

 デシャン監督のイレブンはこの三角形が肝。このテストマッチでも、指揮官はまずまずの手応えを得たようだ。

 後半に入ってからは徐々にメンバーを入れ替えたが、これがなかなか興味深かった。

 体力温存のためにポグバを下げてシソコを入れたことで、中盤のキャラクターが変わり、今度はマテュイディがより広範囲で動いて、シソコはアタッカーと中盤の中間的な役割でより攻撃に比重をかける。

 64分にニューカッスルでのチームメイトのレミが投入されると、右SBのドビュッシーも含めたニューカッスルトリオが絶妙なコンビネーションを織りなし、67分にはドビュッシーのパスからレミがゴール。その後もレミとシソコのパス交換から何度か良い形の攻撃チャンスが生まれた。

 このシソコ+レミの攻撃ラインは、面白い隠し玉になりそうだ。

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