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一時は3部でプレーもリヴァプールへ移籍、W杯メンバーにも選出。“弱冠32歳”ランバートのシンデレラ物語

15歳でリヴァプールのアカデミーをお払い箱となったリッキー・ランバート。苦節17年、サウサンプトンでプレミア屈指のFWに成長し、W杯イングランド代表メンバーにも選出。そして、ついに最愛の地元クラブへの移籍を実現させた。

text by 山中忍 photo by Getty Images

2年連続でプレミア得点王10傑。最盛期の32歳

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リヴァプール移籍が決まったランバート【写真:Getty Images】

 15歳でユースチームをお払い箱。その後は下部リーグで6クラブを転々。32歳だがプレミアリーグ歴は僅か2年。この経歴だけを見れば、プレミアのFWとしては廉価の移籍金400万ポンド(約6億8000万円)も、その妥当性が疑われそうだ。

 ところが、6月2日に決まったリッキー・ランバートのリヴァプール入りは、「賢い買い物」としてメディアで報じられた。

 サウサンプトンでの今季は、リーグ戦で13ゴール10アシスト。昨季、チームメイト1年目だった吉田麻也が「Jリーグなら得点王だね」と言っていた昇格1年目から、2年連続でプレミア得点王10傑に名を連ねたランバートは、最盛期の32歳と理解されているからだ。

 一部には、リヴァプールのスタイルには合わないと指摘する声もある。たしかにランバートは、フィジカル十分で空中戦に強い。パワフルなヘディングシュートはトレードマーク。デビュー1年目のイングランド代表でも、ターゲットマンとして今夏のW杯メンバー入りを果たしている。

 先発起用された4日のエクアドル戦(2-2)では、右足アウトで見事なダイレクトシュートを決めてもいるが、ブラジルでの本番では、ウェイン・ルーニーとダニエル・スタリッジの正FWコンビにはない高さを持つオプションとして、ベンチスタートが濃厚だ。

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