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Jリーグ 10年前

育成目線で観る『J2のススメ』。これを楽しむのにサポである必要なし

text by 大島和人 photo by 工藤 明日香 / フットボールチャンネル

普段とは違う目線から

育成目線で観る『J2のススメ』。これを楽しむのにサポである必要なし
FC町田ゼルビア・相馬直樹監督【写真:工藤 明日香 / フットボールチャンネル】

 いつも通っているスタジアムは、やっぱり居心地がいいものだ。ただ第三者の目線で、冷やかすくらいの感覚で観る楽しさもサッカーにはある。自省を込めた感想だが、我々はどうしても”自分のチーム”に対してとかく視野が狭くなっていくものだ。”他人の目線”で距離を置いて試合を観ると、却って普段からチームを熱心に観ているサポーターにさえ見えていなかったものが見えてくることもある。そこで気付いたことは、それは”マイクラブ”を観る上での気付きにもなる。

 普段からJ2を観ている方に「J2を観に行こう」と書いたら単なる蛇足だろうから、J2サポの方はぜひその下にも足を運んでいただきたい。W杯期間中はJ2が土曜開催に移るため、日曜開催のJ3を観に行くことができるからだ。

 日本代表がギリシャと戦う翌々日、6月22日(日)には町田市立陸上競技場でJ3の首位攻防戦「FC町田ゼルビア×AC長野パルセイロ」が開催される。来季のJ2昇格を占う大一番にして、それぞれに特徴の強いチーム同士の対戦だ。

 相馬直樹監督率いる町田は、現在J3の首位を走っている。前線から激しく追う守備をベースに、奪ったら味方を追い越す動きで一気に相手ゴールへ迫るスタイルには、湘南と同じ”濃さ”がある。J3の得点ランク首位に立つ鈴木孝司の冷静で技巧的なプレーも、ぜひ観て欲しい。アグレッシブなスタイルだからこそ、夏場の暑さに苦しむ部分もあるだろうが、それもまたサッカーの醍醐味。加えて相手は昨年のJFLを圧倒的な強さで制し、天皇杯もベスト16に進出した長野である。タフな展開は必至だし、レベル的にもJ2と遜色のないものが期待できるはずだ。

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