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「我らのデビルズを誇りに思う」。ベスト8敗退も愛ある言葉で溢れるベルギー。「アドベンチャーは始まったばかり」

アルゼンチンに敗れ、ベスト8で散ったベルギー。国内メディアやファンからは、チームの奮闘に満足し、将来への期待を抱く声が溢れている。2年後のユーロへ向けて大きな成果を手にした。

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

「世界のベスト8という位置が実力を正当に示している」

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ベルギー代表 ウィルモッツ監督【写真:Getty Images】

 まるでデジャブのようだ。前半の早い時間帯に失点し、その後は試合巧者にゲームをコントロールされて1-0のまま終了した前日のフランス対ドイツ戦。準決勝行きをかけてアルゼンチンと戦ったベルギーもまた、同じ轍を踏んだ。

 そして、試合後の反応までもが類似している。4年前は、今の成績が想像できないレベルにあったこと、若いチームがこの大会で成長して2年後のユーロに望みをつなげたこと。

 Le Soir 紙の現地レポーターは、『デビルズは、よくオーガナイズされたアルゼンチンのディフェンスを前に、攻撃の糸口を見つけることができなかった』と試合内容を分析したが、同紙の編集長クリスティアン・ベルティが寄稿したコラムが、ベルギー代表の今大会での功績を総評している。

『この最後の試合の余韻が人々の記憶には残りがちだが、それ以前に彼ら代表が、どれだけ国中を興奮させてくれたか、そして前評判に違わぬベスト8入りを成し遂げてくれたかを、忘れるべきではないだろう。

 ここにたどり着くまでの2年間の軌跡は並大抵のものではなかった。2012年にウィルモッツが監督に就任したとき、2年後のW杯で準々決勝進出を果たすなど誰も期待していなかったのだ。

 世界のベスト8という位置が、今のベルギー代表の実力を正当に示している。ここからさらに経験を積み上げて、この若いチームはもっと成長できる。アドベンチャーは始まったばかりだ』

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