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「我らのデビルズを誇りに思う」。ベスト8敗退も愛ある言葉で溢れるベルギー。「アドベンチャーは始まったばかり」

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

「今大会での経験は財産だ。それを次につなげたい」

 当事者であるチームの面々は、惜敗の悔しさと、この大会で得た達成感を同時に味わっていた。

 ウィルモッツ監督は「手痛いミスをして、そのツケを払った。アルゼンチンが優勢と思われていることはわかっていたから、それを覆してやりたかったのに、叶わず残念だ。

 できることは何でもやった。ファン・ブイテンを上げてセカンドストライカー的に使ったりもした。アルゼンチンはそれほど攻めてはいなかった。我々のほうが良いゲームをしていた。だからこそ、敗れて残念だ」と悔しがったが、「大会を通じて、良い経験が積めたことは大きな収穫だった」と結んだ。

 選手たちも同じ気持ちだ。

「自分たちが成し遂げたことは誇りに思っていい。アルゼンチンも多くのチャンスは作れなかった。僕らは自分たちのエラーのツケを払った。でもここで得た経験は、今後の糧になる」(アザール)

「この大会で成し遂げたことは誇りに思うけれど、同時にとても悲しい思いだ。今日の試合では、僕らが勝てる余地は十分あった。それに、自分たちがもっと良いプレーができるとわかっていたのにできなかったのがもどかしい。

 相手に勝たせてしまった、そんな感じだ。やはり経験の差が響いた。でも僕らもここで経験を積んで、W杯でプレーすることの醍醐味を知った。この大会を経て成長したはずだ」(ミララス)

「このチームは、この大会出場国でももっとも若手のひとつだ。まだまだ成長できる。今日の試合では、個人技の部分では劣っていたが、チーム力では我々が勝っていた。今大会での経験は財産だ。それを次につなげたい」(コンパニ)

「負けたことは悔しいが、ここまでこられたことは誇れる。失点はアンラッキーだったし、その後逆転できるチャンスもあった。でも、この素晴らしいチームを世界中に見せることができた」(クルトワ)

「この試合はそれほど難しいものじゃなかった。フィジカル的にもこちらが上だったし、前戦(アメリカ戦)のほうがよっぽど厳しかった。でも経験のなさが響いた」(ファン・ブイテン)

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