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Jリーグ 10年前

まさかの低迷セレッソ、新監督はドイツ生まれのイタリア人。ポゼッションからプレッシングへ、対極なサッカーへの変化で再浮上なるか

text by 桑村健太 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

新監督、ペッツァイオリの人物像とは?

 前節を終えてようやく前半戦が終了したJ1だが、セレッソ大阪には様々なことが起こった。そして、この不振からの脱却を託されたのがマルコ・ペッツァイオリ新監督である。

 マルコ・ペッツァイオリ監督はイタリア人の指導者である。名前のスペルと彫りの深さはいかにもイタリア人という感じだが、生まれはドイツ。指導キャリアもドイツ色が濃く、普段はドイツ語で指導している。

 ペッツァイオリ監督には、その名を世界に知らしめた実績がある。2007年からドイツのユース代表を率い、2009年にU-17欧州選手権で優勝を果たしているのだ。

 この時のメンバーには、先日行われたブラジルW杯の決勝戦で決勝ゴールをあげたマリオ・ゲッツェや、この夏バルセロナに移籍したGKマーク=アンドレ・テア・シュテーゲンがいた。ゲッツェとは今でも親交があるようで、決勝の後にはメールの返事も届いたという。

 そんなペッツァイオリ監督が記者の前で頻繁に使う言葉ある。“Mannschaft”というドイツ語だ。一般的には「マンシャフト」と読み、「組織」や「チーム」を意味する。そう、ペッツァイオリ監督はチーム全体での連動やハードワークを大切にする指導者で、特に守備時の組織についてはいっそう細かいのだ。

 そのため、中断期間中のトレーニングでもスプリント系のものが少なくなく、本人も「目指すサッカーを全員でプレーしなければ成り立たない」と話している。

 ちなみにこのペッツァイオリ監督、“超”がつくほどのナイスガイ。負けた後でも記者からの質問に真摯に答え、いくら暑くてもいくら疲れていてもその姿勢は変わらない。通訳を通じてこちらに質問も投げかけることが多く、こちらが質問しやすい空気をつくってくれる。

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