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アジア 10年前

タイでのチャンスに懸ける元山形・大久保剛志インタビュー「クビになった後の3ヶ月があるから今がある」

text by ASEAN FOOTBALL Link photo by ASEAN FOOTBALL Link

「実際にプレーを見てないオーナーの判断でダメになった」

「今思うと山形をクビになったときはショックでしたけど、そこで過ごした3ヶ月間があったから今充実したサッカーライフがあります。あの貴重な時間がサッカー選手としての輝きを取り戻させてくれましたね。

 真野さんを紹介してもらってからはLINEを通じてタイサッカーの状況を事細かに教えてもらいました。そして2013年12月、トライアウトを受けにタイに来ました。最初タイ・プレミアリーグに所属するサムットソンクランに行き、練習試合2試合に出て4ゴール。自分的には手応えはあったんですけど、契約には至りませんでした。

 同時進行で2つ目のアーミーユナイテッドの練習にテスト生として1週間参加して、そこでも手応えはあったんですけど不合格。そして3つ目はシンタールアFC。練習試合2試合に出て、ここでは即不合格。

 いよいよ後がなくなった最後、バンコクグラスのテストに参加。そして練習一回に参加しただけで契約することが出来ました。さすがに周りからも『一回の練習だけで契約出来たのはすごい』と言われましたね。

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「今振り返ってもタイでのトライアウトの1ヶ月は辛かった」と語る大久保【写真:ASEAN FOOTBALL Link】

 ただこれには理由があって、タイの大体のチームは最終判断を下すのがチームオーナー。最初にテストを受けた2チームも現場レベルでは合格だったんですけど、結局実際にプレーを見てないオーナーの判断でダメになった。幸いバンコクグラスの場合は僕が参加した練習にチーム責任者も見に来てくれてたので、その場で即決でしたね。

 テストではシュート練習とミニゲームをやったんですけど、右足・左足・頭でほとんど決めました。その印象がよかったようです。正式な契約はその2日後に結びました。ちょうど12月24日のクリスマスイブの日です。

 タイには12月25日までの滞在予定で来てたので、最後の最後で決めることが出来ました。もしその時は決まってなかったら一旦日本に帰って、またタイにトライアウトに来てたかは分かりません。本当に最後のギリギリで決まって運がよかったです。

 ただ、今振り返ってもタイでのトライアウトの1ヶ月は辛かったです。最初の2チームは現場レベルではOKだったけど、結局ダメで。日本でも12月にJリーグの合同トライアウトがあったんですけど、それには出ず、こっちに懸けていたし、自分の中でも12月25日を期限にしていたので、その日が近づくにつれて色々と今後の事や家族の事とか考えることが増えました」

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