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Jリーグ 10年前

リーグ最高の守備力を誇るFC東京と浦和。その壁をぶち破るのはどちらだ

攻撃的なスタイルを持つFC東京と浦和レッズの、守備面での向上が著しい。前節を終えた時点で失点数は浦和が最少でF東京が2位。今後激しさを増すであろう優勝争いを占う上でも両者の対決は注目だ。

text by 青木務 photo by Getty Images

フィッカデンティが注入した守備組織。カウンターの鋭さも見逃せない

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フィッカデンティ監督は確実にFC東京を変貌させた【写真:Getty Images】

 FC東京も浦和レッズも攻撃力に注目が集まるチームだった。

 F東京はアフレッシブさと派手な打ち合いが魅力で、サポーターもノリのいいチャントを歌って選手たちを後押しする。城福浩氏が率いようとランコ・ポポビッチ氏が率いようとそれは受け継がれてきた。攻撃的姿勢がこのクラブに息づいている。

 反面、打ち合った末に敗れることやあっさり試合を落とすことが少なくなかったのも事実。それも含めてこのチームの魅力的なところだったが、今シーズン、マッシモ・フィッカデンティ監督体制となったこのクラブは、これまでとは違うカラーを見せている。

 選手間の距離感や一人ひとりのハードワークが素晴らしく、守備面が飛躍的に向上。失点は浦和に次ぐ15。数字の上でも日頃の成果が表れていることを感じさせるが、与えなくてもいい失点が減少しており、それが勝利に繋がっている。

 そして、攻撃では鋭いカウンターで相手ゴールに襲いかかる。東京ヴェルディから加入後、なかなか本領発揮とはいかなかったMF河野広貴が活き活きとスペースに顔を出し、ハビエル・アギーレ監督率いる日本代表入りが期待されるFW武藤嘉紀もチームを勝利に導く得点を決め、FWエドゥーと並びチームトップタイの5得点を奪っている。

 MF高橋秀人、MF米本拓司、MF三田啓貴ら中盤のバランサーたちも、最初は戦術に戸惑いも見せていたが時を経るごとに習得していった。一人ひとりの運動量、味方をカバーする気遣い、周囲を動かすコーチングなど求められる仕事は多いが、今はかなりの精度で実践できている。

 そして最終ラインにはDF森重真人、GK権田修一というブラジルW杯メンバーが最後の砦となる。代表クラスの選手が後ろにいることは味方にとって心強いはずだ。

 フィニッシャーには規格外のフィジカルを持つエドゥーやFW平山相太、FW渡邉千真などのストライカーが試合を決める。

 フィッカデンティ監督は確実にFC東京を変貌させた。今節、首位の浦和を叩くことで勝点差は8から5に縮まる。上位争いを勝ち抜いていく上で、この試合は落とせない。

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