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代表 10年前

EURO開催国フランス、予選免除で親善試合も貴重な「実戦」。ゴール量産中のジニャックは2年後の本大会でも輝けるか

text by 小川由紀子 photo by Yukiko Ogawa , Getty Images

プレーの幅が広がったジニャック。イブラからリーグ得点王を奪えるか

 ジニャックが最後にレ・ブルーでゴールを決めたのは、偶然にも2009年の同じ日、10月14日の対オーストリア戦だ。まさに5年ぶりの復活劇ということになる。

 デシャン監督も、「相手からボールを奪いとり、高い確率でゴールにつなげられる。それはまさしく、ストライカーに求められる素質だ。ジニャックのパフォーマンスは非常に興味深いものだった」と、賛辞を惜しまなかった。

 トゥールーズ時代、24点をマークしてリーグ得点王となったときの彼のスタイルは、完全なフィニッシャーだった。他の9人が彼のためにセットアップし、それを仕留める。ただしその決定力の高さは見事だった。

 そして今季、すでに9点を挙げている彼は、よりプレーの幅が広がっているように見える。サイドに開いて受け手になったり、自らボールを奪いにいくという、「チャンスの作り手」としての動きの効率も上がっている。

 今季からマルセイユを率いるビエルサ監督の指導力によるところもあるだろうが、フィジカル的にも脂が乗っている様子だ。

 よりプレーが繊細なベンゼマとはタイプが違うため、オプションとしての貴重度も高い。

 と、フランス代表にとって彼の復活は朗報だが、本番は2年後のEURO。そのときに今の好調を保っているかが肝心だが、国内リーグでプレーする国産ストライカーが活躍すると、やはり活気づく。

 この勢いで、今季のリーグ得点王もイブラから奪って欲しいところだ。

【了】

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