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ポゼッション72%でも遅攻なし。さらに速く、さらに強く。ペップ・バイエルンはどこまで進化するのか?

ドイツで巨人として君臨し続けるバイエルン・ミュンヘン。昨季はペップ・グアルディオラ監督を新たに迎え、驚きの進化を遂げたが、今季もそれは止まることはない。彼らはどこに向かおうとしているのか。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

早くもバイエルンの顔となったシャビ・アロンソ

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ペップ・バイエルンは進化を続けている【写真:Getty Images】

 ペップ・バイエルンは進化を続けている。

「HSVに対してバイエルンはあまりに強すぎる」としたのは、2014年10月30日付のハンブルクの地元紙ハンブルガー・モルゲンポストである。

29日、ドイツ・カップ2回戦、バイエルン・ミュンヘンはアウェイにてハンブルガーSVと戦う。

 バイエルンのHSV戦での先発メンバーは次のとおり。

【GK】ノイアー、【DF】左SBベルナト、左CBダンテ、右CBボアテンク、右SBラフィーニャ、【MF】アラバ、アロンソ、ラームのトリプルボランチ、左にリベリー、右にミュラー、【FW】レヴァンドフスキ。

 ドイツ・カップ2回戦のHSV戦でのバイエルンに見ることが出来たのは、3バックの導入といった戦術的なものではなく、サッカーの質そのものの変化だった。バイエルンはハイ・テンポなパス・サッカーを展開する。

 アラバ、アロンソ、ラームを中心として、まるでツー・タッチ以内と制限が加えられたミニ・ゲームのように、個々のポジショニングとパスは速く動く。それはどこか何かに急かされているようでもあった。そして6分、早くもレヴァンドフスキが先制に成功する。

 新加入のアロンソは信じられないような速さで、すっかり現ペップ・バイエルンの顔となった。まさに「ピボーテ」となっている。チームの、中盤の軸となって、守備時にはディフェンスラインに入って5バックを形成し、攻撃時には長短織り交ぜたパスを供給する。

 アラバ、ラームは既にSBとしての顔を忘れさせて、正確なトラップに基づくパスと機動力を兼ね備えたボランチとしてプレーした。44分、前線に顔を出したアラバが、ミドルレンジからの一撃で追加点を奪う。

 他に目立ったのは、ロングボールとカウンターである。CBのダンテから、27分、右サイド前方のリベリーへ。33分、左サイド前方のレヴァンドフスキへ。それぞれロングボールが送られる。

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