2013年アフリカ選手権優勝のナイジェリア代表【写真:Getty Images】
アフリカサッカー連盟(CAF)は11日、来年1月から2月にかけてモロッコで行われるはずだったアフリカ・ネーションズカップを別の国で開催するための調整に入ったと発表した。
今月3日にアルジェリアで行われたCAFの執行委員会で来年1月から2月にかけて予定通り開催すると決定しており、開催の延期を主張していたモロッコ側には8日までに開催の可否について回答するよう求めていた。
それに対し王立モロッコサッカー連盟は8日、開催権を返上する旨をCAFに対して伝え、正式にモロッコでの開催中止が発表された。
モロッコは同大会に海外からの渡航者が多数やってくることで、西アフリカを中心に猛威をふるうエボラ出血熱が国内に広がることを懸念しており、受け入れを拒否。
この決定で大会そのものを延期することも噂されていたが、CAF側は予定通り来年1月から2月の約1か月間で開催する姿勢を崩しておらず、モロッコとエボラ出血熱が蔓延している国以外で新たな開催国の調整に入るとしている。
さらにモロッコが開催権を返上したことで、規定により開催国枠で出場予定だったモロッコ代表は失格となる。
ヨーロッパ各国のクラブはエボラ出血熱が流行っているアフリカでの大会に選手を送り出すことに難色を示しており、ガボン代表のピエール=エメリク・オーバメヤンが所属するドルトムントのクロップ監督も「どうすればFIFAのようにアフリカが安全と判断し、大会を開催できると言えるのか。100%理解できない」と強い懸念を示している(https://www.footballchannel.jp/2014/10/17/post52246/ 参照)。
当初の予定通り開催するならば開幕まで2カ月を切っていることになるが、新たな開催地選びはうまくいくのだろうか。その結果によってヨーロッパでプレーする選手たちの動向も大きく左右されるはず。
前回大会を開催した南アフリカが新たな開催地の有力候補と見られているが、多国間開催の可能性も取りざたされている。いずれにせよ超短期間での準備が求められ、過去に類を見ない大会となりそうだ。
なお、モロッコで12月に開幕するFIFAクラブW杯は予定通り開催の見込みとなっている。
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