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セリエA 9年前

求められる「インテリスモ」。監督交代のインテル、マッザーリ解任の2つの理由とマンチーニに課せられた責任

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Getty Images

解任の最大の理由は「インテリスモ」の欠落

 では、なぜマッザーリ監督は解任されることになったのだろうか。

 1つの理由として挙げられるのは、彼がインテリスタ(インテルサポーター)にひどく嫌われていたということだ。ホームでの試合前にマッザーリの名前がスピーカーから聴こえてくると、インテリスタたちはこぞってブーイングを浴びせていた。

 なぜマッザーリがファンに嫌われるようになったのか。これにもいくつかの理由がある。まず一つ目は、昨季終盤のミラノダービーでひどい負け方をしたことだ。スコアこそ1-0だったものの、内容は凡庸でビッグクラブの試合と言えるものではなかった。

 2つ目はインテルのレジェンドであるハビエル・サネッティを彼にとっての最後のシーズンにも関わらずベンチに座らせたことにある。サポーターに愛された“アイコン”をないがしろにしたマッザーリのことを受け入れる者などいないはずだ。

 そして最も大きな理由はマッザーリの心に「インテリスモ(インテルの魂)」が宿っていなかったことにある。サネッティの件もそうだが、結果が出ない上につまらないサッカーを見せられてはサポーターがマッザーリのことを愛せるはずもない。彼のサッカーには興奮できなかった。

 サポーターの関心を失った結果、インテルは観客動員数を大きく減らしてしまった。ホームゲームの観客動員数を比べてみるとよくわかる。

 今季行われたサッスオーロ、アタランタ、カリアリ、ナポリ、サンプドリアそしてヴェローナとの試合を例に比較してみる。

 昨季これら6クラブとの試合で動員した観客数の合計は24万6342人だった。1試合平均4万1057人がジュゼッペ・メアッツアを訪れていたことになる。全ホームゲームの平均は4万6247人だった。

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