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有終の美を飾った2014年。スペインを下したドイツ、戴冠の後の混迷を抜け出す“原型”は「3バック」

W杯優勝後、苦しい状況に陥ったドイツ代表。しかし、年内最後の国際試合となったスペイン戦を1-0で勝利した。この試合で見せた3バックは、混迷から抜け出すきっかけとなるのだろうか。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

苦しみ抜いたW杯後。最終戦、スペインにアウェイで勝利

有終の美を飾った2014年。スペインを下したドイツ、戴冠の後の混迷を抜け出す“原型”は「3バック」
試合終了間際にクロースがミドルシュートを突き刺して、スペイン代表に対して勝利【写真:Getty Images】

「Happy End 2014」としたのは、2014年11月20日付のキッカー紙である。18日にドイツ代表は2014年内で最後となる国際試合を、アウェイでスペイン代表と戦った。試合終了間際の89分にクロースがミドルシュートを突き刺して、0-1のスコアでスペイン代表に対して勝利を収めている。

 キッカー紙に対してドイツ代表監督のヨアヒム・レーブは「我々にとって美しい終わり方だ。そして来年に向けての良い原型となった」とコメントを残した。レーブの言葉を借りれば、ドイツ代表は2014年の活動を終えるに当たって有終の美を飾った、ということになる。

 7月にブラジルW杯で優勝して、ドイツ代表は世界王者となった。この世界では、何かを掴み取ることは難しい。しかし何かを勝ち得た後のことのほうが、より一層難しいようだ。

 それは古代ローマ帝国、十字軍といった欧州の古い過去からも見て取れる。W杯の後では初めてとなる、アルゼンチン代表を迎えた親善試合を2-4のスコアでドイツ代表は落とした。そして9月に始まった2016年のフランスへ向けた欧州選手権の予選で苦戦を強いられる。

 グループDに入ったドイツ代表は、ドルトムントで幕を開けた初戦のスコットランド代表戦こそミュラーの2ゴールで2-1と振り切ったものの、第2戦はポーランド代表にワルシャワにて0-2で敗戦を喫する。

 アイルランド代表をゲルゼンキルヒェンに迎えた第3戦では、クロースのゴールで1-0とリードしながら、後半アディショナルタイムに1-1のドローへと持ち込まれてしまう。落胆のドイツ人を尻目に、アイルランド人は歓喜にむせんだ。

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