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Jリーグ 9年前

8年ぶりのリーグ王座奪還へ。浦和、好調G大阪と首位決戦。満員の埼スタでシャーレを掲げるか

text by 青木務 photo by Getty Images

重戦車パトリックがガンバにもたらしたもの

 対するガンバは勝点差5で2位につける。負ければ終わりとはいえ、勝てば2ポイント差に縮まる。浦和にプレッシャーをかけるには十分なポイントだろう。

 浦和が優勝へ向けて大きな一歩を踏み出したが、ガンバの勢いはとどまるところを知らない。

 J1復帰を果たした今シーズン、出だしは非常に悪かった。ブラジルW杯で中断する前の成績は4勝3分7敗と、降格圏内を彷徨っていた。

 しかし、再開後は宇佐美貴史が完全復活を果たして大爆発。キレのあるドリブル、得点感覚、味方との連携などあらゆる場面で豊かな才能をフルに発揮した。

 そして、途中加入のパトリックはガンバが求めていた“最後のピース”で、こちらも素晴らしいパフォーマンスを見せている。パトリックが加わったことで宇佐美との超強力2トップが完成し、遠藤保仁もゲームメイクに専念できるようになった。

 また、パトリックは重戦車のような突進で裏へ飛び出すことができ、ガンバに縦幅を使う攻撃を実現させた。さらに裏を狙うことで相手のラインを下げさせ、中盤とディフェンスラインの間で宇佐美や阿部浩之といったテクニシャンが比較的自由に仕事ができるようになった。

 中断明けの驚異的な追い上げは、選手一人ひとりの個性が適材適所で発揮できるようになったことが挙げられるが、パトリックの存在がそれを実現させたと言っても過言ではない。

 また、パトリックはヤマザキナビスコカップ決勝でも2得点を奪うなど大暴れ。シンプルに彼へボールを送っても好機が生まれる可能性があり、浦和戦でも鍵を握る存在になる。

 2014シーズンもいよいよ大詰め。浦和がホームで優勝を決めるか、それともガンバが抗うか。運命の一戦は14時キックオフだ。

【了】

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