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“出来過ぎ”でない躍進。ポゼッション&プレッシング。サウサンプトン流を昇華させた新監督と新戦力

text by 山中忍 photo by Getty Images

欧州進出を懸けたトップ5争いへ

“出来過ぎ”でない躍進。ポゼッション&プレッシング。サウサンプトン流を昇華させた新監督と新戦力
アレクシス・サンチェス【写真:Getty Images】

 アーセナル戦は1ポイント奪取が妥当な内容だった。アレクシス・サンチェスに仕事をされたのは数的不利を背負った後のこと。サウサンプトンは、ラスト10分でアルデルワイレルトが負傷退場する前に、3名の交代枠を使い切っていた。

 しかも、うち2名は欠場したシュナイデルランの代役ジャック・コークとタディッチの怪我で強いられた選手交代。不運の連続にもめげず、88分まではスコアレスドローに持ち込むと思われた戦いぶりからは、守備面のしぶとさと精神面の強さが窺い知れた。

 いずれも長期の戦線離脱という事態ではないが、いざとなれば、今夏の移籍市場で得た約63億円の利益が、1月の市場で即戦力の購入を可能にする。

 年末からはチェルシー、アーセナル、マンUと続く強豪3連戦が再来するが、その前はバーンリーとクリスタルパレスの下位2チームと、調子の並に乗れずにいるエバートンとの対戦。

 この3試合で11月は無得点に終わったペッレが息を吹き返してくれれば面白い。ペッレは、シティ戦ではクロスに合わせ損ない、アーセナル戦ではボレーを吹かして先制機を逃したが、見方を変えればチャンス自体は新エースに供給され続けていることになる。

 開幕前の降格予想は既に「外れ」と言えるサウサンプトン。欧州進出を懸けたトップ5争いからの脱落予想は慎んだ方が良さそうだ。

【了】

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