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逆転したトップ2。安定を手にしたバルサとピッチ内外で騒動のレアル。シャルケ戦は“背水の陣”

シーズン当初、クラブを取り巻く安定した空気と確実な強さで首位を走ったレアル・マドリーに対してバルセロナはピッチ内外でのトラブルとピッチ上での不調に陥っていた。しかし、ここにきて立場が逆転。マドリーは背水の陣でチャンピオンズリーグのシャルケ戦に臨む。

text by 山本美智子 photo by Getty Images

自力優勝の算段がついたバルサ

逆転したトップ2。安定を手にしたバルサとピッチ内外で騒動のレアル。シャルケ戦は“背水の陣”
ルイス・エンリケ監督【写真:Getty Images】

 次の日には何が起こるかわからないというのは、スペインでもサッカー界で頻繁に使われる言い回しの一つだが、現在リーガの首位を走っているレアル・マドリーをここまでFCバルセロナが追い上げることになろうとは、誰が想像しただろうか。

 昨年、12月にクラブワールドカップを初制覇し、クリスティアーノ・ロナウドが2年連続で3度目のバロンドールを手にした時、今季のマドリーの勢いを止められるチームはないだろうと周囲は疑わなかった。

 年が明けて、首位のマドリーがバレンシアを前に黒星を喫したが、その差を詰められる絶好の機会にFCバルセロナもレアル・ソシエダを前に負け、周囲からの不満はそこで一斉に噴出した。

 さらに、強化担当ディレクターがジョセップ・マリア・バルトメウ会長の怒りを買って急遽解任。メッシとルイス・エンリケが衝突し、メッシがその腹いせに異例の公開練習を欠席とFCバルセロナのクラブ内に不安要素が次から次へと膨れ上がった。

 当然のことながら、ルイス・エンリケへの非難の矢も降った。グループ内を収める能力に欠けるのではないか、いくら元キャプテンとしてサポーターに愛されていても、さすがにメッシを抑えきれるだけのリーダーシップには不足しているのではないか、などの批判はやむことがなかったが、ルイス・エンリケ本人は基本的にそういった批判などは「見ない、聞かない、自分を信じる」の姿勢を貫いていると記者会見で公言していた。

 それから1ヶ月が過ぎ、依然としてマドリーはリーガで単独首位を走っているが、12月に見せていた勢いはない。2位につくFCバルセロナは勝ち点1点差と迫り、クラシコがまだ一戦残っている今、自力で優勝を勝ち取れる算段がついた形となった。

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