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ポール・スコールズ:マンUがタイトルを争うためにベイルは完璧な補強

text by フットボールブルー photo by Getty Images

マドリーでのベイルを誰も失敗とは思わないだろう

マドリーでのベイルを誰も失敗とは思わないだろう
ベイルのユナイテッド移籍を勧めるスコールズ氏【写真:Getty Images】

 オールド・トラフォードでベイルは愛されるだろう。その愛情と引き換えに、彼はルイス・ファン・ハールのチームを本格的なタイトル候補へと変えることができると思う。私の現役時代にも、チームの運命を一変させたような補強の例はいくつか目にしてきた。まだ私が駆け出しだった頃のエリック・カントナをはじめとして、ドワイト・ヨークやルート・ファン・ニステルローイ、ウェイン・ルーニーといった選手たちだ。偉大な選手であった彼らは、ユナイテッドの偉大な選手にもなった。ベイルにも彼らと同じようなインパクトをもたらせるだけのポテンシャルがある。

 優れた選手であれば評価されることが必要だ。ベイルがユナイテッドに加入するとすれば、変化の過程にありリーダーを求めているチームに加わることになる。マドリーは毎年のように新鮮な選手たちが加わり、常に変動を続けているチームだ。ユナイテッドも過去22ヶ月間に大きな変化を経験してきたが、現在はサー・アレックス・ファーガソン後の時代における安定感を模索する方向へ進みつつある。

 クラシコでは、マドリーは前半に非常に良い戦いができていたと思う。ルカ・モドリッチとトニ・クロースによる試合のコントロールは、カンプ・ノウに乗り込んだ相手チームとしては過去10年間見たこともないほどのものだった。チャンスも生み出すことができていた。だが、2点目を奪われてからはアイディアが枯渇してしまったようだ。

 ワイドなポジションに開いていたベイルは幸せにプレーしているようには思えなかった。彼がマドリーでの自分の時間を最後まで使い切りたいと望むのは理解できるが、仮に2年間で去ることになったとしても、チャンピオンズリーグ優勝も成し遂げた彼の時間が失敗だったとは誰も言えないだろう。イングランドのサッカー界ではまだ何も勝ち取ってはおらず、この国での成功にも飢えているはずだ。並外れた選手であるだけでなく、プレミアリーグへの適性も完璧に証明されている。

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