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柏、ノーガードの死闘はドロー決着。無敗続くも決勝T進出はおあずけ

text by 編集部 photo by Getty Images

Kashiwa Reysol v Chonburi FC - AFC Champions League Playoff (East)
2得点でチームを救ったクリスティアーノ【写真:Getty Images】

【山東魯能 4-4 柏レイソル ACLグループE第4節】

 AFCアジアチャンピオンズリーグのグループステージ第4節が8日に行われ、柏レイソルはアウェイで山東魯能と対戦した。

 3試合を終えて勝ち点7で、この試合に勝てばグループステージ突破が決まる柏は、直近のリーグ戦から中3日という厳しい日程でのアウェイゲームとなった。

 試合は会直後に動く。4分、ディフェンスラインの裏でモンティージョの浮き球パスを受けたワン・ヨンポーがGK菅野の股を抜くシュートで山東魯能が先制する。クリアしようとした輪湖が足を滑らせるというミスが失点の大きな原因となってしまった。

 23分、大谷のパスを受けたレアンドロが相手DFを引きずりながら突進し、そのままフィニッシュ。柏は試合を振り出しに戻し、勝ってグループ突破を決めるために執念を見せる。

 さらに29分、柏は細かいパスをつないで相手のディフェンスを揺さぶり、今度はレアンドロのラストパスを受けた工藤が冷静にネットを揺らして逆転に成功した。

 畳みかける柏は32分、集中を欠く相手のミスを見逃さずに拾ったクリスティアーノが単独突破からGKとの1対1を制して3点目を流し込む。決勝トーナメント進出に向けて大きな2点リードを手にした。

 負けるわけにいかない山東魯能は直後の34分、柏の右サイドを攻略したモンティージョのクロスにウルソが頭で合わせて1点差に迫る。

 36分、エリア内で一度手を使ってボールを処理した菅野が、自分以外が触れていないボールをもう一度手で掴むという反則を犯し、山東魯能にエリア内からの間接FKが与えられる。

 絶対に得点を許すまいとゴールライン上を埋めるように選手を並べた柏だが、モンティージョの放ったシュートは頭の上を抜け、ネットに突き刺さった。

 2点のリードをミスから一瞬で失った柏は明らかに動きが悪くなり、寄せの甘さやプレー選択の迷いを効果的に突かれて何度もゴールを脅かされる。前半はいい流れを取り戻すことができず、3-3で折り返した。

 後半開始直後、クロスに対して飛び込んだワン・ヨンポーをキム・チャンスがエリア内で突き飛ばしてしまい、山東魯能にPKが与えられる。これをヤン・シュに決められて再びリードを許した。

 失点を重ねたことで選手同士の距離感が悪くなり、ずるずる守備ラインが下がって攻め込まれる場面の多い柏だが、60分過ぎから中盤で丁寧にボールを回せるようになって徐々にチャンスを作れるようになる。

 73分、強烈なカウンターを繰りだす山東魯能はモンティージョがフリーでシュートを放つが、これは菅野がファインセーブでゴールを許さない。

 74分、柏は左サイドからのロングボールを鈴木が頭でコースを変え、最後は工藤が押し込もうとするが、シュートはゴールライン上でクリアされてしまい得点とはならない。

 山東魯能は負傷明けの現役ブラジル代表FWジエゴ・タルデリを投入して勝負を決めにかかる。

 しかし、次の1点は柏に生まれた。76分、クリスティアーノが低く強いキックで直接FKを沈め、4-4の同点に追いつく。

 再び逆転が見えてきた柏。80分にレアンドロがGKとの1対1のチャンスを迎えるも、相手GKに触られてシュートは枠を捉えることができない。

 後半アディショナルタイムにはクリスティアーノがヘディングでゴールに迫ったが、GKの正面に飛んでしまい、勝ち越し点を奪うことはできなかった。

 一時は2点差をひっくり返されての敗戦も見えていた状況から、なんとか追いついてアウェイで貴重な勝ち点1を獲得した柏。4試合を終えて日本勢唯一の無敗は続いている。

 次節、柏は22日に全北現代モータースと対戦する。ホームサポーターの前で勝って文句なしの決勝トーナメント進出を決めたいところだ。

【得点者】
4分 1-0 ワン・ヨンポー(山東魯能)
23分 1-1 レアンドロ(柏)
29分 1-2 工藤(柏)
32分 1-3 クリスティアーノ(柏)
34分 2-3 ウルソ(山東魯能)
37分 3-3 モンティージョ(山東魯能)
49分 4-3 ヤン・シュ(山東魯能)
76分 4-4 クリスティアーノ(柏)

【了】

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