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かつての名門パルマの降格が決定。負債の返済次第でセリエB以下も

text by 編集部 photo by Getty Images

かつての名門パルマの降格が決定。負債の返済次第でセリエB以下も
セリエAからの降格が決定したパルマ【写真:Getty Images】

 イタリア・セリエAの第33節が現地時間29日開催され、パルマはアウェイでラツィオに4-0で敗れた。この結果5試合を残し、パルマは最終的に17位アタランタを上回れないことが確定。セリエAからの降格が決定した。

 パルマは、選手やユース監督であるエルナン・クレスポ氏も「冷たいシャワーを浴びている」と悲痛の声を上げるほど深刻な財政難となっており、1月には給与未払いでFWアントニオ・カッサーノが退団。さらに主力選手も続々とチームを去り、チームとして成り立たない状況だった。

 選手のみならず、スタッフや運営費も払えない状況であり、2月には2試合が延期。ホームスタジアムの閉鎖など、試合も満足に開催できない状態にあった。一向に改善されない財政状況にイタリアサッカー連盟(FIGC)は、今季だけで3回の勝ち点はく奪処分を科しており、合計勝ち点「7」を失った。

 3月には破産も宣言しており、クラブの経営状態に、残り試合の没収も考えられた。さらに今回の敗戦を前に制裁で、来季のセリエBへの降格は決まっていたようだ。

 しかし、キャプテンのDFアレッサンドロ・ルカレッリをはじめとする残った選手たちはサポーターとパルマを愛する者ためにプレーを続行。4月の試合ではインテルと引き分け、ウディネーゼとユベントスに勝利するなど勝ち点7を稼いでいた。

 加えてルカレッリは、ユニフォームをオークションにかけ、それらの資金をクラブ運営の足しにすることまで行っている。

 制裁ですでに降格は決まってしまったが、今回の敗戦で数字上でも降格が確定。それでも、まだ安心はできない。

 来季以降の処遇については、新オーナーによって債務が返済されるかにかかっているようで、FIGCのルールによればパルマの負債額である7430万ユーロ(約95億円)を新オーナーが返済すれば、クラブは来季セリエBからのスタートとなる様子。

 しかし、負債を返済できなかった場合、アマチュアリーグであるセリエD(実質4部)まで降格することになるという。

 GKジャンルイジ・ブッフォン、DFファビオ・カンナバーロ、MFフアン・セバスティアン・ベロン、FWエルナン・クレスポなどが所属し、2001年から2004年には元日本代表MF中田英寿氏も在籍していた名門。はたして救いの神は現れるのか。

【了】

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