ハリルホジッチ日本代表の快勝スタートを手放しで称賛してはいけない。チュニジア、ウズベキスタンの“不真面目な守備”

5月7日発売の『フットボール批評issue05』(カンゼン)の人気シリーズ「守備のセオリーに反するサムライたち」では、イタリア人指導者フランチェスコ・マクリと宮崎隆司氏がハリルホジッチ新監督の船出となったチュニジア戦、ウズベキスタン戦を分析。依然として日本の守備に問題点はあるものの、それ以上に今回は対戦相手の守備の杜撰さが際立った。一部抜粋して掲載する。(分析:フランチェスコ・マクリ&宮崎隆司)

2015年05月11日(Mon)10時32分配信

text by 宮崎隆司 photo Getty Images
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目を覆いたくなるほどの相手守備のサボタージュ

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ハリルホジッチ新監督の船出となったチュニジア戦、ウズベキスタン戦【写真:Getty Images】

 まずはこれほど集中力を欠いた、“不真面目な試合”を目にしたのは初めてと言わなければなりません。

 初めて、というのが言い過ぎであるならば、少なくともここ10年間で私が見た無数の試合の中でも1、2を争うほどの杜撰な中身であったと述べておきたいと思います。

 チュニジア戦と、何よりあのウズベキスタン戦は、真剣に分析する意味を見出せないほどの中身でしかありませんでした。理由は他でもありません。日本代表ではなく、相手国の側に明確な「サボタージュ」を思わせるプレーが連続していたからです。

 私たち現場の監督は、通常、カテゴリーを問わず、まさに数センチ単位の精度を守備の個人・組織戦術や攻撃の動きに徹底して求めています。日々それらを高めるための手法を追求し、そうした作業の蓄積を可能な限りピッチで具現化しようと努めています。なぜなら、それがプロとして当然だと考えるからです。

 ところが、今回の日本代表戦2試合で我々が目にしたのは、真逆の光景でした。相手チームの守備には数センチどころか数メートルのズレが連続しています。アマチュアのサッカーならばともかく、A代表の試合なのですから、メートル単位のズレが連続するなどは到底考えられません。

 これだけ杜撰にして稚拙な守備が頻発する理由は、おそらくはひとつ。「相手国の選手たちが真剣さを著しく欠いていた、もしくは皆無であった」。要は“適当に”プレーしていたということなのでしょう。

 仮に私の推測が正しいとすれば、彼らの怠慢はサッカーに対する冒涜であり、チケット代を払って観に来ているファンへの、これ以上ない裏切りと言わざるを得ません。

 とりわけウズベキスタン戦を目にしながら私は思わずこう呟いていました。

「もしもこれをサッカーだというのなら、私は今日にでも監督の仕事を辞める」と……。こう明確に述べつつも静かな怒りは心に留めながら、一体どの場面が「サボタージュ」を裏付ける具体的事例であるか、順に記していきたいと思います。

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