快挙の秘訣は愚直なまでの“熱意”。セリエA昇格のカルピとフロジノーネ、2つの小規模クラブが起こしたサクセスストーリー

2015年05月29日(Fri)11時00分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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独特の経営方針で昇格を遂げたフロジノーネ

快挙の秘訣は愚直なまでの“熱意”。セリエA昇格のカルピとフロジノーネ、2つの小規模クラブが起こしたサクセスストーリー
3部からセリエAへと駆け上がったフロジノーネ【写真:Getty Images】

 フロジノーネもまた、闇雲な資本増強と大型補強には距離を置いていた。第5部相当のセリエDで2度、4部相当のセリエC2で2度の優勝経験があり、2005年のB昇格以来しばらくBに残り続けていた彼らだが、急いでAに昇格するよりも別のことに経営の主眼を置いた。

「我々の目標はあくまで健全経営だ。そのためにまずは下部組織の充実が最優先」。欧州で実績のある自動車用部品メーカー『プリマ』の経営者で、2003年からフロジノーネの経営にも携わるマウリツィオ・スティルペ会長は、もっぱら選手の育成と育成組織の活性化に注力。トップチームの運営もそれに沿って若手中心、2011年に3部に降格しても姿勢に変化はなかった。

 トップチームの監督は、ストライカーとしてかつてトリノで活躍したロベルト・ステッローネ。フロジノーネで現役を終えた彼はクラブに残ってサッカー指導者となり、2012年からトップチームの監督を務める。4-4-2のシステムで質の高い攻撃サッカーを展開した彼は、就任2年目でセリエB昇格へと導く。クラブは監督の続投はもちろん、ほぼ同様の陣営でセリエBを戦い抜くことに決めた。

 そして3年越しで培われた連係のもと、若手を中心とした選手たちの実力が開花した。元オーストリアU-20代表のレジスタであるロバート・グッハーを中心に、左右を広く使ったダイナミックなパスサッカーを展開。

 サイドハーフとサイドバックが連動したサイドアタックは分厚く、右SBのマッテオ・チョーファニはFWの実兄ダニエレにクロスを供給する。前線ではリボルノでセリエAの経験もあるフェデリコ・ディオニージがゴールを保証。南部特有の熱気にも後押しされ、ホームでは14勝6分1敗と無類の強さを誇った。

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