快挙の秘訣は愚直なまでの“熱意”。セリエA昇格のカルピとフロジノーネ、2つの小規模クラブが起こしたサクセスストーリー

2015年05月29日(Fri)11時00分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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来季は昇格組の旋風に期待

 さて、素晴らしい躍進を遂げたこの2チームだが、実はセリエAクラブの幹部から心無い陰口も叩かれている。1月末、地元紙はラツィオのクラウディオ・ロティート会長の電話傍受記録を入手し、「カルピやフロジノーネのような誰も知らないクラブに昇格されたら、誰がセリエAのTV放映権を買うのだ」などと知人に話していたことが暴露された。

 確かに、有名選手がいない彼らは市場へのアピールが弱いかもしれない。ただ、若さや選手のやる気を重要視して作られたサッカーは、ファン離れも叫ばれるイタリアにとある魅力を思い出させている。

「はつらつとしている彼らのサッカーを見ていると、一昔前のカルチョを思い出すよ」

 カターニアとの対戦時にカルピやフロジノーネの試合を取材したカターニア地方紙『ラ・シチリア』のジョバンニ・フィノッキアーロ記者はこう語る。

「若い選手が一生懸命走り、ファンはその姿勢に喜ぶ。実際彼らのスタジアムにはそういう盛り上がりがあるし、結果ばかりを求める変なプレッシャーもない。あの2クラブの躍進の秘密は、そういう熱意そのものだったと思うね」

 26日から始まったセリエBの昇格プレーオフには、元カターニア時代に森本貴幸をデビューさせたパスクアーレ・マリーノ監督率いるヴィチェンツァをはじめ、健全経営で生まれ変わった数クラブが参戦している。どこが勝ち上がるにせよ、来季の昇格組は新風を巻き込むことになりそうだ。

【了】

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