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【独占インタビュー】作者・大今良時氏に聞く。FC岐阜とコラボ、異色の作品『聲の形』はどのように生まれたのか?

「絵を描きたくて学校に行かなくなってしまいました」

――大今さんは中学生のころ不登校だった時期があるそうですが、どんな理由があったんですか?

「不登校というか、単にサボっていただけなんです。途中で学校が楽しくなくなってしまったので。それで天秤にかけたんです。学校に行って頭に入らない授業を聞くのがいいのか、家で好きな絵を描くのがいいのかって。

 そのころはたくさん絵を描かなきゃと思っていた時期で、一日に1枚絵を描くというノルマを自分に課していたんです。とにかく絵を描きたくて学校に行かなくなってしまいました。学校よりも絵を取ったということになりますね」

――そういうことは『聲の形』のどこかに反映されていたりしますか?

「たぶん結絃(ゆづる:ヒロインの妹)が近いんじゃないかと思います。結絃は姉を救うということと学校を天秤にかけた結果、学校に行かなくなっていますから」

――作品の中でみんなで映画をつくろうということになりますよね? あれはどうして映画だったんですか?

「映画しか思いつかなかったんです。自然と映画になりました」

――そうですか。どうしてそんなことを訊いたかというと、コマ割りとかストーリーの構成とかがキャリアを考えるととてもテクニカルに感じたんですね。それでこの作者はとても映画が好きな人で、映画の影響を強く受けているんじゃないかと思ったんです。

「作品の中で映画づくりをすることになったのはそれとは関係ないですけど、映画はすごく好きです。漫画を描いているときも煮詰まったりしたときなんかはよく映画を観たりしますし」

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