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日本での“奇妙な体験”を経たロナウド。初陣は低調も悲観せず。新監督ベニテスとの相性は?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

サイドアタックを重視するベニテスとレアルの相性は?

 ただ、ベニテス監督にとってこの試合の狙いは前半にはコンディションの悪い選手を起用して調整させること、後半によりコンディションの整っている選手を起用して戦術的な質を高めることだったと思われる。

 結局得点を奪うことはできず、PK戦の末に6-7でローマに敗れたものの、後半はより積極的な姿勢で攻撃を繰り出し、途中出場したダニーロを筆頭に効果的にサイドを使うなどチームとしての戦い方の片鱗は見せていた。

 ベニテス監督は、これまでバレンシア時代にはビセンテやルフェテ、リバプール時代にはルイス・ガルシアやリーセ、ナポリではインシーニェやメルテンス、カジェホンといったように優秀なサイドアタッカーを擁してきただけにロナウドやベイル、ハメスといった選手の力を最大限に引き出す術は持っているだろう。

 また、ベニテス監督はしっかりとショートパスでボールをつなぐスタイルを好み、ショートカウンターも得意とするだけにマドリーの面々にフィットする可能性は十分に高い。

 何より、選手としても指導者としてもキャリアをスタートさせた地元クラブでの指揮にモチベーションは高いはず。マドリーとしても、有能な監督を採用してはことごとく短期で切ってきただけに、残された人材は少ない。

 何としてもベニテス監督には3年契約を全うしてもらいたいところだろう。

【了】

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