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支配力を失ったバルサ、最大の懸念は守備力にあらず。メッシの力をも削いだ“DFラインの拙攻”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

プレースタイルを大幅に切り替えた後半

支配力を失ったバルサ、最大の懸念は守備力にあらず。メッシの力をも削いだ“DFラインの拙攻”
セルジ・ロベルトは前半27分間のプレーながら敵陣で55%を記録【写真:Getty Images】

 この両SBの前半のスタッツを見ると、ジョルディ・アルバのアクション・エリアは敵陣がわずか22.95%。自陣に77.05%もとどめられており、ほぼ攻撃には参加できなかったといえる。

 もちろん、これはネイマール不在の影響も大きい。ネイマールが左サイドにいれば、相手の右サイドはどうしても守勢に回らなければならず、それによって生まれたスペースをアルバが使うことができた。

 この試合で左ウイングを務めたラフィーニャでは、ネイマールほどの圧力をかけられず、相手も攻撃に出るチャンスが増える。そのため、アルバが守備に回る時間が増えた。

 一方のセルジ・ロベルトは前半27分間のプレーながら敵陣で55%を記録。とはいえ、やはりその怖さはダニエウ・アウベスに遠く及ばない。実際にフルタイムを終えてのボールタッチ数はジョルディ・アルバが90回で、18分短いながらセルジ・ロベルトは54回。思うような攻撃参加ができなかったとはいえ、やはりジョルディ・アルバへの信頼が厚いことがわかる。

 後半に入ると、バルサはDFラインからビルドアップすることを止め、前線に素早くボールを入れる選択肢をとった。CBを務めたマスチェラーノは前半のパス本数が57本だったのに対して、後半は31本。ヴェルマーレンは前半54本だったのに対して、後半は24本と大きく数を減らしていた。

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