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セリエA 9年前

本田に迫る危機感。個人技で勝ちを拾ったミラン、見えてきた指揮官の“優先順位”

text by Keiske Horie photo by Getty Images

もう一つの鍵「バロテッリ」

もう一つの鍵「バロテッリ」
ミランに復帰したマリオ・バロテッリ【写真:Getty Images】

 試合はトップ下として途中出場を果たしたボナベントゥーラが、コーナーキックからルイス・アドリアーノのヘディングをアシスト。ミランが2-1と今季セリエAで初勝利を収める。

 結果こそ勝利に終わったものの、試合内容とてもではないが満足できるものとはいえなかった。得点はどちらもフォワードによる個人技で、機能しないインサイドハーフと裏を取られるディフェンスの問題は解決していない。流れの中でのチャンスはバッカの裏への抜け出しに限定されていた。

 そこで注目が集まるのが新加入のマリオ・バロテッリの起用法だ。決勝ゴールという結果を残したL・アドリアーノだが、ここまで攻撃の組み立てに大きく貢献しているとは言い難く、バロテッリが前線で収めることができれば広範囲に動き回るバッカと素晴らしい関係を築く可能性が高い。

 それでは、バロテッリが前線の一角を担った際にトップ下に選ばれるのは誰になるのか。ここに本田の生きる道が隠されているといえるだろう。バロテッリという明確なターゲットが表れた時、本田のパサーとしての能力は存分にアピールできるポイントである。既に同選手とプレーした経験を持っていることも小さくないアドバンテージだ。

 前線を積極的に補強したミランは、ひとまずは個人技で勝ちを拾える段階には到達した。しかしながら、中盤の最適解は未だにイメージすら描けていない。新たに加入したバロテッリという無視できない存在を組み込み、いかにしてコンビネーションを生成していくか。ミハイロビッチ監督の今後の采配に注目が集まりそうだ。

【了】

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