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バルサに支配力を取り戻した「3バックの攻撃」。苦戦を勝利に変えた苦労人の“新戦力”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ことごとくバルサのシュートを防いだマラガのGK

 さらに、マラガがビルバオとは異なり、引いて守る選択肢をとったため、スペースはガラ空き。前述のようにCBの2人がハーフウェーラインを越えてプレーできるほどラインを押し上げることが可能となり、チーム全体のアクション・エリアは前節では敵陣で34.5%だったものが、今節では65.95%まで回復した。

 その結果、シュートは10本から22本、チャンスメイク数は7回から19回、クロス本数は12本から25本と全て倍以上に増加。もちろん相手の戦い方の違いはあるものの、ルイス・エンリケ監督が用いた打開策は功を奏していたと言えるだろう。

 それでもゴール量産とはいかず、結果は同じく1-0。

 バルサが今回も苦戦を強いられた要因には、マラガ守備陣がゴール前を固めて守りに徹したことが挙げられる。特にGKカメニは高い集中力を保ち、メッシやスアレス、ネイマールのシュートをことごとくセーブ。データサイト『Who Scored.com』のレーティングでは8.5点と高い評価を受けていた。それだけに失点シーンには悔しい思いを持っているに違いない。

 これまでのバルサであれば、引いて守る相手であろうと得点を奪うことは難しいものではなかった。むしろ、ポゼッション全盛期には引いて守る相手ほど“カモ”にしていたほどだ。

 これは病み上がりのネイマールをはじめとした前線3人のコンディションが開幕したばかりの今はまだまだ100%ではないことも影響しているはず。

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