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得点力復活の要因は? 23歳MFの躍動。レアルが手にした“新たな心臓”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

守備で大きな働きを残すカゼミーロ

得点力復活の要因は? 23歳MFの躍動。レアルが手にした“新たな心臓”
カゼミーロは、タイプで分けるなら“守備的MF”【写真:Getty Images】

 そして、続く第7節アトレティコ戦でベニテス監督はアンカーにカゼミーロを抜擢。この試合は1-1で終わったものの、この起用がその後の3試合連続3得点を生んだといえるだろう。

 カゼミーロは、タイプで分けるなら“守備的MF”。同じ中盤の選手ながら、“攻撃的MF”に部類されるモドリッチ、クロース、イスコとは全く異なる特徴を持つ選手である。

 この全く異なる特徴を持つという点こそ、重要なポイントとなる。カゼミーロは、ここまで5試合の先発に3試合の途中出場の計8試合出場。1試合平均で3.5回のタックル、2.3回のインターセプト、1.6回のクリア、0.6回のブロックショットを記録している。

 このうち、タックル数はチーム内で断トツのトップとなっており、その他の項目もカゼミーロの上を行くのはペペやセルヒオ・ラモス、ヴァランといったDF陣。中盤の選手では全ての面においてトップの数字を残している。

 ラス・パルマスをホームに迎えた今節でも、4回のタックルに3回のインターセプト、4回のパスカットと守備面で大きく貢献した。このカゼミーロが中盤の底にいれば、クロース&モドリッチから前線の選手の守備負担が軽減され、より攻撃に専念することが可能となる。

 とはいえ、多くの選手が憧れ、そして撥ね除けられてきたレアル・マドリーというクラブでそのポジションを勝ち取るには1つの武器では足りない。そして、この23歳のブラジル人が優れている点は守備面だけではない。カゼミーロは中盤の底で攻撃のリズムを作ることにおいても高い能力を有している。

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