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最大の敗因…孤立するCR7。最少に終わった2つの数字。レアルの未来は背番号10と共に?

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

“違い”を生み出したセビージャの左ウイング

 ヴァランとペペのコンビは不安定な守備に終始。さらに、この日はシステムを4-2-3-1としたため、カゼミーロのフィルターが弱まりDFラインへのサポートが薄くなっていた。

 守備の不安から徐々にペースを失い始めたマドリーは、35分にFWチーロ・インモービレに移籍後初得点を許す。そして1-1で迎えた後半、戦況は逆転。

 後半45分間のスタッツを見ると、シュート数こそ8本:16本でマドリーが上回ったものの、ボールタッチは342回:311回、パス成功本数は235本:211本、そして支配率は50.2%とわずかながらセビージャが上回っていた。

 そんなセビージャの中で“違い”を生み出す存在となっていたのが左WGのイェフゲン・コノプリャンカ。先制点と2点目をアシストし、オプタのデータを基にしたレーティングで9.4という高得点を叩き出してマン・オブ・ザ・マッチに選出された。

 特に圧巻だったのは60分のMFエベル・バネガによる2点目の場面。マドリーの守備網をかいくぐって中央寄りの左サイドを突破。エリア内へと切り込み、クロスを入れてアシストを決めた。

 この場面でマドリーは、勝ち越したい前線といっぱいいっぱいに追い込まれていた守備陣の意識にギャップが生まれ、中盤にスペースを生んでしまっていた。コノプリャンカに対してはカゼミーロ、モドリッチの順に対応しは知ったものの、勢いに乗るウクライナ代表の前に後手を踏んで難なくかわされてしまった。

 今期初となる複数失点を喫すると、74分にはFWフェルナンド・ジョレンテが打点の高いヘディングで3-1。セビージャが勝率をタイとする4勝目を挙げるとともにマドリーに今季公式戦初の黒星をつける結果を手にした。

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