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ヴェンゲル監督、ドーピング撲滅へ「プライドの問題」。勝利至上主義に警鐘

text by 編集部 photo by Getty Images

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アーセン・ヴェンゲル監督【写真:Getty Images】

 アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督はドーピングについて否定的な立場を明らかにした。米メディア『ESPN』が10日付で伝えた。

 世界反ドーピング機関(WADA)は9日、ロシアの陸上競技連盟に対して同国の選手へのドーピングが認められたと発表。国際陸上競技連盟に資格停止処分の勧告したことが話題となっている。

 これに関してヴェンゲル監督は、仏メディア『レキップ』のインタビューの中で自らのポリシーを語った。

「30年間の監督としてのキャリアの中で、能力向上の目的で選手に薬物を服用させたことは一度もない。これはプライドの問題だ。私はこの考えのもと、これまで多くのチームと戦ってきた」

「私は、私が人生において大切だと考える価値に対して真摯であるよう、そしてそれを他の人々に伝えるように努めている」

 フランス人指揮官はサッカー界に厳正な薬物検査を導入することを長年提唱し続けてきた人物であり、いかなる競技記録に対しても懐疑的な姿勢を取っている。

「今日、我々は10秒2でなく10秒1で走る選手を賞賛する。しかし、どちらにしても速いことに変わりはない」としつつ、勝利至上主義への警鐘を鳴らした。

「これはスポーツにおいて非常に危険なことだ。勝者を賞賛する、どんな手を使ってでも勝とうとする時代に起こっていることである。10年後、我々は違反をした選手について認知することになる。その間、かつて2番手だった選手は苦しみ、人々の記憶に残ることはない」

【了】

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