フィオレンティーナはなぜ好調か。イタリアのファンも惚れ込む“機能美”を追及した指揮官のスタイルとは

今季はフィオレンティーナが好調だ。開幕後は7戦で6勝を挙げ、第12節現在で9勝3敗の首位に立っている。なぜ彼らは好スタートを切ることができたのだろうか? そこには、パウロ・ソウザ監督が追及する“機能美”があった。

2015年11月20日(Fri)16時00分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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過去最高の序盤戦。フィオレンティーナはなぜ好調?

フィオレンティーナはなぜ好調か。イタリアのファンも惚れ込む“機能美”を追及した指揮官のスタイルとは
フィオレンティーナのパウロ・ソウザ監督【写真:Getty Images】

 セリエA序盤戦では、フィオレンティーナの勢いが凄かった。第7節のアタランタ戦で開幕6勝目を挙げ、17年ぶりに単独首位に立つ。かつてジョバンニ・トラパットーニ監督のもと、ガブリエル・バティストゥータにマヌエル・ルイ・コスタ、エジムンドらを擁した1998/99シーズン以来の出来事。そして開幕7戦で6勝を挙げたのは、クラブ史上初の出来事だった。

 その後代表ウィーク明けのナポリ戦では1-2と惜敗し、勝ち点ではインテルに並ばれたものの、第12節終了の時点で首位を守っている。得点24に失点は9と、チームとして高い攻撃力を示しながら守備の硬さも両立させている。

 シーズン前を振り返れば、このクラブに関する明るい話題はなかった。ポゼッションサッカーを定着させたビンチェンツォ・モンテッラ監督とは喧嘩別れし、昨シーズン後半の主役だったモハメド・サラーには逃げられた。シーズン後にレンタル元のチェルシーへ買い取りオプションを行使したはずが、選手側の拒否条項を行使され破談になった(その後フィオレンティーナはこれを不服とし係争に出た)。

 その一方で、スター選手の補強はなし。ユベントス時代の活躍で選手としては有名だった新監督のパウロ・ソウザについても、バーゼルで結果を出していたとはいえセリエAでの手腕を不安視する声も大きかった。しかし彼らは、見事に下馬評を覆す活躍を見せた。

 実際のところ、その萌芽というものはプレシーズン時点で現れていた。そしてPSMではバルセロナを、またチェルシーをそれぞれ撃破。相手も主力が休養明けでコンディションが不揃いだったとはいえ、チームの特色は既にでていた。

 ラインを整えながら激しくプレスを掛け、ボールを奪えば縦に速いショートカウンター。守備時には4-5-1気味にゾーンを敷き、攻撃ではサイドバックの一角が飛び出す3-4-2-1と化す。モンテッラ時代よりもハードワークを重視し、攻守に組織的な規律を強める方向へとスタイルを変えていたのだ。

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