フィオレンティーナはなぜ好調か。イタリアのファンも惚れ込む“機能美”を追及した指揮官のスタイルとは

2015年11月20日(Fri)16時00分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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ハードワークで輝く個の力

フィオレンティーナはなぜ好調か。イタリアのファンも惚れ込む“機能美”を追及した指揮官のスタイルとは
ヨシップ・イリチッチ(中央)らの復調も好調の要因に【写真:Getty Images】

 徹底したハードワーク戦術のもとで、個もしっかり輝いた。新戦力ではバテ・ボリソフから移籍したニコラ・カリニッチは、卓越したスピードと執拗なフォアプレス、そして何より7ゴールという得点力で主力に定着している。ボルシア・ドルトムントでハードワーク重視のサッカーに慣れていたであろうヤクブ・ブワシュチコフスキも、すぐに戦術に順応した。

 しかし注目すべきは、昨季までパッとしなかった選手たちが一気に蘇り、素晴らしいパフォーマンスを発揮していることだ。

 能力は高いがムラっ気も高かったヨシップ・イリチッチは、中盤と前線のリンクマンを任されるうちに調子の波も安定した。主力に定着できなかったマティアス・ベシーノは、高い運動量を見せながら丁寧かつスピーディに繋げるセントラルMFとして、ミラン・バデリと強力なコンビを中盤で形成している。U-21代表の将来有望株フェデリコ・ベルナルデスキも、攻守両面で仕事のできるアウトサイドとして主力に定着している。

 どの試合でも運動量では相手チームを上回る。「我々の好調の要因は日頃のワークにある」とソウザ監督は胸を張るが、実際練習で作り上げたコンディションの高さと戦術的な機能美は毎試合で光る。

 課題は、長いシーズンでこの調子が持続できるかどうか。前線では長期故障離脱から復帰したジュゼッペ・ロッシや若手のクマ・ババカルがいるが、ハードワークという点で主力に割って入れるかどうかは現在微妙。戦術への順応性をチームとして高め、現時点での主力が疲れ出した時に用いるバックアップを増やしたいところだ。

【了】

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