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Jリーグ 8年前

FC東京、クラブ史上最多勝ち点を記録するも…武藤の後釜確保に失敗でCS出場権逃す【2015年通信簿】

シリーズ:2015年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images

武藤の移籍で低下した攻撃力

FC東京、クラブ史上最多勝ち点を記録するも…武藤の後釜確保に失敗でCS出場権逃す【2015年通信簿】
武藤嘉紀【写真:Getty Images】

 失点をしないことを第一に考えるサッカーは、選手たちの守備意識と犠牲心を極限まで高めた。とはいえ、得点を奪えなければ試合に勝つことはできない。攻撃のバリエーションに乏しいチームにあって、抜群の存在感を放ったのが武藤嘉紀だ。

 慶應大学在学中の昨季も溌剌としたプレーを見せたシンデレラボーイは、完全にエースとなった。推進力のあるドリブルに加えゴール前での思い切りの良さを存分に発揮し、少ないチャンスを得点に結びつけた。

 既に春先にはイングランドの名門チェルシーからオファーを受けており、メディアの報道も加熱。プレーに集中できなくてもおかしくなかったが、武藤は結果を出すことで自身の価値をさらに高めていった。最終的にはドイツのマインツに新天地を求めることになる青赤のエースは、1stステージだけで10得点を奪った。そして、チームも2位に入る大躍進を見せた。

 武藤がチームを去ったことで速攻の迫力は減退したが、守備は相変わらずハイレベルだった。湘南での武者修行から戻った丸山祐市が戦力として独り立ち。夏には日本代表にも招集されている。守護神の権田修一がオーバートレーニング症候群で戦列を離脱するとベテランの榎本が穴を埋め、その後加入したブラダ・アブラモフにバトンを渡した。

 しかし、攻撃の形が少ないチームはなかなか勝てなくなり、全員で体現する守備の堅さはあっても、結果を手繰り寄せることはできなかった。そして、勝てば年間3位でチャンピオンシップ進出という最終節・鳥栖戦でまさかのスコアレスドロー。結局、FC東京は今季も何も得られずにシーズンを終えたのだった。

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