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Jリーグ 8年前

【識者の視点】広島は広州恒大に勝てるのか。J最強クラブがアジア王者を倒すためのカギは?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

広島がゴールチャンスを作り出すためには

 前半からどちらが中盤の主導権を取るかも勝負に大きく関わるが、広島も広州も相手にボールを持たれたなりに粘り強く守りながらカウンターの機を狙うことができるチームだけに、お互い一瞬の油断が命取りになる。

 広島はキャプテンの青山敏弘と森崎和幸、広州は展開力に優れる中国代表のジョン・ジーとパウリーニョが中盤で駆け引きを繰り返すことになるが、攻めでは3バックや2シャドーとうまく連動しながらボール周辺に移籍優位を作り、守備ではパウリーニョに前を向かせない対応をしていきたい。

 韓国代表キム・ヨングフォンと中国代表フェン・シャオティンのCBコンビは非常に屈強で、バルセロナ戦でも先制されるまでは粘り強いブロックで攻撃を跳ね返していた。広島は1トップ・2シャドーという特殊なシステムで、しかも左右のウィングバックが積極的に仕掛けるため相手のSBは中に絞ってCBをサポートしにくい。

 パウリーニョかジョン・ジーが柔軟に引いたポジションでシャドーの対応をしてくるはずだが、その状況を活かす形で青山がタイミング良く前に出ていければフリーでミドルシュートに持ち込める。二次攻撃になれば塩谷の攻撃参加も有効だ。

 また、そうした厚みのある攻撃から流れからドウグラスが縦に仕掛ける、1トップがスルーパスから抜け出すシーンが作れればゴールチャンスになる。

 一方で気をつけたいのが広州の中央からのカウンターだ。バルセロナ戦でも前半ははまりかけたが、パウリーニョ、グラール、エウケソンの縦ラインが2、3本の縦パスでゴール前まで進出するシーンはACLでも大きなチャンスを生んでおり、高い位置でつなげていても、ボールを奪われた直後は集中する必要がある。特にディフェンス・リーダーの千葉を欠く中で、ボランチと3バックの対応が生命線になる。

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