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Jリーグ 8年前

湘南の新主将に就任した高山。同い年の前主将から受けた刺激と新たな決意

text by 藤江直人 photo by Getty Images

相次ぐ主力流出への懸念

 永木だけでなく、副キャプテンを務めていたMF古林将太は名古屋グランパスを、ハリルジャパンにも選出された出世頭、DF遠藤航は浦和レッズを新天地に選んだ。2シーズンにわたってゴールマウスに仁王立ちしたGK秋元陽太も、FC東京へ移籍してしまった。

 一転して、今シーズンは苦戦を強いられるのではないか。外野の声は高山の耳にも自然と入ってくるが、苦境に立たされたときこそレイソルで得た経験を生かしたいという。

「結果として順位が低かったら、(永木や遠藤がいなくなったからと)言われちゃうと思う。プロセスはすごく大事だし、このチームはそこを大事にしてもいるけど、J1では試合内容が悪く、自分たちがペースをつかめなくても、強いチームは1対0で勝つ。(レイソル元監督の)ネルシーニョの言う『勝者のメンタリティー』じゃないですけど、そういうところを磨けばさらに上を狙えると個人的には思っている。

 去年の終盤などは連勝もできたし、そういう勝ち方というものもみんなわかってきたと思うので。今年はそれにさらに磨きをかけて、内容にプラスして、勝利へのこだわりというものも追及していきたい。亮太がいないから、航がいないからと思うことなく、逆に全員がもっと上を目指す気持ちで戦えば。その点に対してはまったくプレッシャーを感じていない」

 昨年末からオフィシャブログを開設した。しっかりと韻を踏み、ラップ調でグイグイと攻めたててくる文章は、ファンやサポーターの間で「パンチが効いている」と話題を呼んだ。もっとも、2回目となった昨年12月29日を最後に更新されていない。

「サッカーはまったく別物と考えて、プライベートのことしか載せないと決めたので。そうすると年末年始は逆に何もしなさすぎて、書くことがないんですよ。その後は馬入にきて、自主トレをしては帰っての繰り返しで。普段の生活で何かがあればいいんですけど」

 12日からは新生ベルマーレが始動し、14日と15日はさっそく2部練習が組まれた。当分は開店休業状態となりそうなブログは、27歳とあぶらの乗り切った年齢に達した高山がアスリートとして、チームとともに成長を誓うキャプテンとして、サッカーに120%集中している証となる。

【了】

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