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サンフレッチェ広島、優勝した時以上の戦力確保に成功、新戦力のプラス要素に期待【2016補強診断】

text by 編集部 photo by Getty Images

信念を貫いた指揮官。ブレない“型”で記録的な優勝へ

森保一
森保一監督の辛抱強い選手起用が徐々に勝利を引き寄せる【写真:Getty Images】

 シーズン序盤は退団した石原直樹や高萩洋次郎不在の影響を感じさせたが、森保監督の辛抱強い選手起用が徐々に勝利を引き寄せる。1トップに入った佐藤寿人を筆頭に、2シャドーで柴崎晃誠とドウグラスが好連携を披露。さらに3年目の浅野拓磨が「スーパーサブ」としての地位を確立し、前線のユニットが完成した。

 ボランチでは青山敏弘と森崎和幸が互いを補完しあう完璧な関係を築き上げ、千葉和彦、水本裕貴、塩谷司の3人が君臨した最終ラインも高い完成度で堅守を支える。さらに負傷者が出ても代わりの選手がその穴を埋め、隙のない陣容でシーズンを戦い抜いた。

 その結果、シーズンが終わってみればリーグ最多得点、最少失点、歴代最多勝ち点での優勝。青山はリーグMVPを受賞し、ドウグラスは得点ランキング2位と大ブレイクを果たした。序盤戦で結果が出ない時も諦めず、選手を信じ続けた森保監督の卓越したマネジメントと、信頼を感じて努力を怠らなかった選手たちのパワーが完璧に噛み合って実現したタイトル獲得だった。

 しかし、昨季21得点を挙げたドウグラスはチームを去った。戦術的に欠かすことのできない重要なピースを失った広島はどのように穴埋めを図るのか。また円熟味を増す一方で高齢化の進むチームの新陳代謝をどう促すのか、リーグ連覇とアジアのタイトルを目指すにあたって今季最初の壁を壊す作業が待っている。

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