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アジア 8年前

リオ五輪アジア最終予選に臨むベトナム女子代表。強豪相手に確かな足跡を残せるか

女子サッカーのリオデジャネイロ五輪アジア最終予選が2月29日(月)から3月9日(木)にかけて大阪府で行われる。今大会に東南アジアから唯一出場するチームがある。国内では、愛着を込めて「ゴールデンガールズ」と呼ばれているサッカーベトナム女子代表だ。

text by 宇佐美淳 photo by Jun Usami, Getty Images

日本人指導者も強化に携わった東南アジアの強豪

リオ五輪アジア最終予選に臨むベトナム女子代表【写真:Getty Images】
リオ五輪アジア最終予選に臨むベトナム女子代表【写真:Getty Images】

 ベトナムは、東南アジア版オリンピックと称される東南アジア競技大会(SEA Games)で4度の優勝を誇る東南アジアの強豪。

 昨年は、日本サッカー協会(JFA)から派遣された乗松隆史監督のもと、リオ五輪アジア2次予選を戦い、タイやミャンマー、台湾などと死闘を繰り広げ、3勝1敗の成績で最終予選進出を決めた。

 代表メンバーは全員がベトナム女子リーグに所属する各クラブの選手たち。特に、国内2強であるハノイとホーチミン・シティ(HCMC)から多くのメンバーが選出されている。

 ベトナムの女子選手は、技術的に高いものを持っているものの、フィジカルや個人・チームの戦術面に難がある。プレースタイルとしては、伝統的に粘り強い守備からのカウンターを得意としている。

 代表チームの精神的支柱となっているのは、エースストライカーのグエン・ティ・ミン・グエット(30歳)、ディフェンスリーダーのグエン・ハイ・ホア(26歳)、守護神ダン・ティ・キエウ・チン(30歳)といったベテラン勢。

 この他の中心選手としては、若手の技巧派MFグエン・ティ・トゥエット・ズン(23歳)、点取り屋フイン・ニュー(24歳)などが挙げられる。特に、グエン・ティ・トゥエット・ズンは、昨年のAFF女選手権(東南アジア女子サッカー選手権)で、左右のCKから1試合2本の直接ゴールを決め、世界各国のメディアで紹介されて話題になった。

 チームを率いるのは、昨年末に契約満了で退任した乗松監督のあとを引き継いだマイ・ドゥック・チュン監督。過去に女子代表を率いてSEA Gamesで2度優勝、2014年の仁川アジア大会では、チームを初のベスト4に導いた。

 男子チームの指導者としても高い実績があり、昨年はベトナム1部Vリーグのベカメックス・ビンズオンのテクニカルディレクター(TD)を務めて、リーグとカップの2冠達成に貢献した。

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