15連勝の絶対王者を止めた男。グランデ・ミラン支えた“伝説”が繰り出す珠玉の采配に注目せよ

2016年02月20日(Sat)9時01分配信

text by Keiske Horie photo Getty Images
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グランデ・ミランを支えた勝利のメンタリティ

ミラン時代のロベルト・ドナドーニ
現役時代はグランデ・ミランを支えた【写真:Getty Images】

 ドナドーニ監督が名将たる所以は現役時代の経歴から容易に見出すことができる。同指揮官は“グランデ・ミラン”を支えた伝説の一人であるからだ。“現代サッカーの生みの親”ともいえるアリーゴ・サッキ氏のもと圧倒的な強さを誇ったチームの中で、ドナドーニは不動の右ウイングであり続けた。

 サッキ氏のサッカーにおいて、右ウイングは必ずしも華形ポジションというわけではない。むしろ、90分間に渡ってプレッシングをかけ続け勝利のために走り回る姿勢が要求された。このスタイルは指揮官となったドナドーニ監督にも大きな影響を与えている。

 中小クラブを率いて数々の“アップセット”を繰り返すドナドーニ監督だが、そのサッカーは弱者のそれではない。積極的なプレッシングによって果敢に試合の主導権を奪い、ボールを大事にして的確なパス回しからチャンスを作り出していくのだ。

 しかしながら、今でこそ喝采を浴びるドナドーニ監督の指導者キャリアは順風満帆というわけではなかった。

 2006年にイタリア代表監督に就任するも、EURO2008では30年ぶりにオランダ代表に大敗。辛くもグループリーグを突破したものの、準々決勝でPK戦の末20年ぶりにスペイン代表に公式戦で敗れてしまう。

 この記録的な敗北にイタリア国民は憤慨。大会終了後にドナドーニ監督は解任された。しかしながら、今から振り返れば“あの時の敗北”も評価が変わってくるところだろう。名実ともに無敵艦隊となったスペイン代表をPK戦まで追い込んだチームなど、ドナドーニ監督率いるイタリア代表の他に存在しなかったのだから。

 その後もナポリとカリアリで挫折を味わい、同指揮官に転機が訪れたのは2012年のパルマ就任だ。2013/2014シーズンにはチームを奇跡的なヨーロッパリーグ出場圏内である6位に導いた。しかし、所得税の納付遅延を理由にUEFAライセンスが降りず、チームはヨーロッパリーグ出場権を剥奪され、翌2014/2015シーズンにはパルマは破産という最悪の結末を迎える。またしてもドナドーニ監督に待っていたのは苦難だった。

 それでも、今季ボローニャでドナドーニ監督は再び眩いばかりの輝きを放っている。度重なる運命のいたずらに翻弄されてきた名将。今度こそ、その珠玉の采配がスポットライトを浴びる日がやってきたのかもしれない。

【了】

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