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新潟、創設20周年は吉田新体制でリスタート。ブラジルトリオ健在、昨季の悔しさ晴らせるか【2016補強診断】

text by 編集部 photo by Getty Images

ブラジルトリオは健在。若さ溢れる新戦力とともに復活へ

吉田達磨
吉田達磨監督を迎えるにあたり、補強は若手中心となった【写真:Getty Images】

 吉田新監督を迎えるにあたり、補強は若手中心となった。ルーキーが3名、レンタル復帰組が5名、さらにユース時代から京都一筋で実績を残してきた伊藤優汰が加入している。

 彼らは若手あるものの、新潟をよく知るメンバーばかりだ。ルーキー3名のうち筑波大から加入の早川史哉と新潟U-18から昇格する宮崎幾笑は下部組織出身、慶応大出身の端山豪は昨季特別指定で新潟に在籍しJ1で8試合出場1得点を記録している。

 新潟というクラブをよく知る選手達は当然周囲との関係構築やサッカーへの順応もスムーズに進むだろう。京都の生え抜きだった伊藤も吉田監督のスタイルに慣れれば持ち味の鋭いドリブル突破からチャンスを作り、攻撃のアクセントになれるはずだ。

 またレオ・シルバ、コルテース、ラファエル・シルバの”ブラジルトリオ”が揃って残留したことも大きなプラスをもたらす。ただ吉田監督はチーム戦術を理解し体現できる選手でなければチャンスを与えないため、新たなスタイルをいち早く体得することが重要になる。

 プレシーズンの段階ではまだ負傷者が全員復帰できておらず、開幕戦出場が微妙なメンバーもいる。特に最終ラインは要だった大井健太郎が古巣・磐田に復帰したため、新リーダーを含め横一線のポジション争いが繰り広げられるだろう。実績と実力で勝るイム・ユファン、舞行龍ジェームズが故障を抱える今、大野和成や早川、町田から復帰した増田繁人にはビッグチャンスが訪れている。

 今季の新潟は昨季の教訓を生かし、地道に上を目指していくことになる。クラブ20周年を笑顔で終えるために、柏での挑戦が失敗に終わった吉田監督のマネジメント能力が問われる。早い段階でつまづいてしまうと、昨季の二の舞は避けられない。

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