今季初勝利も冷静な姿勢を見せる木山監督【写真:Getty Images】
J2リーグ第6節が3日に全国各地で行われ、愛媛FCはホームにギラヴァンツ北九州を迎えて対戦した。ここまで4分1敗の未勝利の状態が続いてた愛媛だが、河原和寿や小島秀仁のゴールにより、2-1の勝利をおさめている。
大雨が降る中、滑りやすいピッチとなったが、愛媛はいつも通りの細かいパスをつなぐサッカーで北九州のゴールに迫った。対する北九州は、サイドを起点に愛媛陣内へ攻め込みチャンスをうかがう。
愛媛は36分、ダイレクトパスから縦につなぎ小島がペナルティエリア内に侵入すると、最後は相手選手を交わしてシュートを放ち先制点を決めた。勢いに乗る愛媛は50分にも瀬沼優司がドリブルで右サイドを切り裂き、クロスボールに飛び込んだ河原が中央で合わせて追加点を決める。
さらに守備では全員が集中を切らさず、北九州にチャンスを与えない。それでも77分にコーナーキックからオウンゴールをしてしまい相手に1点を与えるが、集中した守備は試合終了まで途切れることはなかった。
ここ最近、2試合ゴールから遠ざかっていたが、この日は複数得点。いつにも増してシュート意識が高く、遠目からでもゴールを狙っていく姿勢が見て取れた。
これについて木山隆之監督は「打てるときにシュートを打つべきで、打てば入る可能性がある。大事なのはそういうチャンスをたくさん作ることで、ここ何試合かは打てるタイミングのところまでボールを持っていけてなくて、そういうシチュエーションができていなかった。
だから、シュートはいつも打ちたいと思っているし、打てるべきときは打つべき。そういう意味では今日はシュートを打てるタイミングをたくさん作れたと思います。打てるときに打とう、打てるチャンスをたくさん作ろうとは選手たちに言っています」と語り、いつもよりもチャンスを多く作れたことを明かしている。
試合後に木山監督は「5試合勝ててなかったわけですけども、同じように選手たちは努力していました。プレッシャーとかがある中で、なかなか思ったようなプレーが少し出せなかったのかなという気がしてます。ただ、努力はしてたので必ず上に行くだろうと思っていました」と語り、選手たちの頑張りを讃えている。
また、一方で「今日一つ試合を良い形で終えることができて次につながるかなと思いますが、これはあくまでも一つのゲームなので、スパッと忘れて次のゲームの準備をしていきたいと思います」とコメントし、初勝利に浮かれることなく、次の試合を見据えていることを明かした。
そして最後にサポーターに対しては「雨の中、人数は少ないかもしれないですけど、来てくれている人に少しでも喜んで帰ってもらいたいというのが、我々の一番の大きな思いなので、今日は勝ててよかったです」とし、サポーターに対して初勝利をプレゼントできたことを喜んでいる。この勝利をきっかけに、上位進出を目指して巻き返しといきたいところだ。
(取材・文:宇和川勝也)
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