岡崎に生まれた心境の変化
転機を導き出したのは自らの気持ちの変化だった。12月19日のエバートン戦。この試合でシーズン3点目を決めた岡崎は、およそ4ヶ月ぶりのフル出場に疲れ切っていたが、すがすがしい表情で次のように話している。
「(これまでは)あんまり効果的にプレーしていても、最終的に前に行けないことがよくあったので、それよりも今日はミスをしてもいいから前を向くことばかり考えていた。ミスがちょっと多かったけど、その分、今日は点を取ろうという意識が強かったので、本当にそれが実って良かったという気がしますね」
ガッツマンの印象の岡崎は傍目では一生懸命が取り柄のように映るが、実際は常に考えるタイプだ。そしてこのような心境の変化が訪れたのも、開幕からの4ヶ月の間にハードワークでクラウディオ・ラニエリ監督やチームメイトに自分を認めさせたうえで、次のステップに移行してもいいと本人が熟考したうえでの結論だった。
「このチームはみんながハードワークする。ウジョアも、結局12.3キロ走っていた。あの巨体でハードワークされたら、オレのハードワークも別にそんなにたいしてハードワークにならない。ということはどっかで違い、ということは結果を出せる選手に自分が(ならないと)。もともと求めてきたところにやっといける。これが先発でずっと出ていたら変えられないじゃないですか。今やっているプレーを。でもこうやってサブになる期間ができて、やっぱり見ていて、途中から出たら点を取ってチームを楽にできる方がいいし」
「出ている選手よりも違いを出すのは結果。練習からそれをずっと意識している。ニアで結構点を取れてきている。周りは『どうした?』みたいな感じ。どうしたもこうしたも、俺は元々そういう選手。でもそれを忘れられがちだった。ハードワークが植えつけられ過ぎて。ある意味変えるチャンス。今はハードワークしても『岡崎はこのぐらいできる』と思われている。逆にそれを捨てたとしても前に行く。今日も前に行くハードワークを多くした」