キャリア初のタイトル。日本のサムライはさらなる進化へ
後半戦を迎えて、2016年の3戦目となったFAカップのトッテナム戦ではDFを3人かわして見事なソロゴール。さらにアストンビラ戦では、今季リーグ戦4点目となる先制ゴールを決める。味方のシュートをGKがファンブルしたところに、素早く詰めて押し込んだものだった。
試合後には、「あの一場面だけを見たら『よく詰めていた』と思われるかも知れないが、全部(詰めて)いる。あれは運じゃない」と自信をのぞかせた。
年明け直後のボーンマス戦以外、リーグ戦では全試合、すなわち16試合連続先発出場中だ。ただ前述のアストンビラ戦以外では、3月中旬に決勝点となるニューカッスル戦でゴールを決めたのみ。ストライカーとしてはインパクトに欠け、前回のコラムで説明したとおり、本人も「悔しい」という言葉を連発してきた。
だが2日の優勝の際には、チームメイトとともに喜びを爆発させ、同日の自身のツイッターでも「久しぶりに我を失うくらい嬉しくて信じられない気持ちです」と告白。今季の苦労がすべて報われたかのような、自身の心境を物語るコメントを残している。
クラブレベルでは自身キャリア初のタイトル獲得で、すべてを振り切った岡崎。奇しくも、今季大ブレイクした同僚ヴァーディーの昨季のリーグ戦ゴール数は、今季の岡崎同様の「5」。年齢的にも一つしか変わらない。果たして、日本のサムライは英国の地でさらなる成長を遂げることをできるのか。
デビューシーズンが終えようとするが、来季はチャンピオンズリーグという目標もできた。挑戦を続ける30歳だけに、新たな飛躍が期待される。
(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)
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