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マンCは未だ“新興金満クラブ”の域を出ず。ペップは殻を突き破れるのか【15/16シーズン査定】

シリーズ:15/16シーズン査定 text by 植田路生 photo by Getty Images

ペップに求められる“シティらしさ”の構築

ヤヤ・トゥーレ
確実なのは、ペップと不仲であるヤヤ・トゥーレが出て行くこと【写真:Getty Images】

 新指揮官に求められることは多々あるが、最終的な着地点は“シティとは何か”を明確に定め、クラブを王者に導くことだ。ペジェグリーニ体制は、補強の費用対効果としては最低限の結果を出しつつ、ある程度のポゼッションのスタイルを植えつけた。及第点は与えられるが、シティらしさは結局のところぼやけたままで終わった。

 ペップはバルサのようなボール支配をベースとしたサッカーをすることは間違いないが、チームを“バルサ化”するわけではない。バイエルンではレバンドフスキとミュラーという2トップとも言える布陣で戦い、それはバルサにはないものだ。

 そう考えると、来季への展望は実に難しい。ペップが何を“発明”するのか予想がつかないからだ。3年前、一体誰がアラバがセンターバックをしていることを予想できただろうか。

 確実なのは、ペップと不仲であるヤヤ・トゥーレが出て行くこと、そして何人かの大物を獲得することだ。噂にあがっている選手のうち、ギュンドアンはほぼ確定。レバンドフスキは五分五分と見ているが、ポグバは厳しいだろう。ただ、ペップが獲得を熱望すればない話ではない。

 いずれにせよ、シティはバルサやバイエルンのように、強固な土台があるわけではない。ペップにとって初めてとなるゼロベースからのチームづくりとなり、何から着手するかは大いに注目だ。

 最初に混乱をきたすのはイングランドのメディアかもしれない。フォーメーションをどう表記すべきなのか、シーズンを通しての頭痛の種になる可能性は十分考えられる。

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