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フォルランのプロフェッショナリズム。ウルグアイ人の根底に流れる“ガーラ・チャルーア”【フットボールと言葉】

シリーズ:フットボールと言葉 text by 竹澤哲 photo by Getty Images

フォルランが姿勢で語ろうとする理由

現在はペニャロールでプレーするフォルラン
現在はペニャロールでプレーするフォルラン【写真:Getty Images】

 フットボール選手を目指すようになったフォルランに、元選手であった父親が教えてきたことはとても興味深いものだった。

「私が引退したのが39才の時だった。選手とは毎日、何かを学んでいくものだ。だから私は引退するまで学び続けた。そしていい選手を目指すのなら、フットボールに専念しなければいけない。

 私が指導してきた中で、とても優れた才能を持った子供がいたが、サクリフィシオ(犠牲心)を怠り、フットボールに専念せず、練習しないで、上まで到達できなかった。しかしその子よりも才能では劣っていたが、1部にあがり、代表でプレーし、ワールドカップまで出ているものもいる。

 さらに重要なことは、プロ選手になってから規則正しい生活を続けていくことだ。いかなるスポーツにおいても規律が大切なのだ」

 ウルグアイではフォルランの親友や、少年時代のコーチなどにも話を聞いている。関係者が語るフォルラン像は、けっしてフォルラン自身の口からは聞き出せないものだ。

 だがフォルランが「言葉ではなくプレーや姿勢でもって伝えることを心がけている」と話すように、口数は少ないながらも、結果で示そうとするのが彼らしさであり、彼の姿を理解する上で大切なことなのかもしれなかった。

(文:竹澤哲)

【取材協力:WOWOW】

【次回へ続く】

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